1998-11-01から1ヶ月間の記事一覧
貴志祐介、角川ホラー文庫。第三回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。多重人格もののホラー。主人公賀茂由香里は人の感情を読むとることが出来るエンパスであり、阪神大震災の被災者の精神的ケアを行っていた。そこで会った森谷千尋が多重人格障害。彼女の治療…
バーバラ・ハリス著、立花隆訳立花隆の名前に引かれて買ってしまったが、これはつまらなかった。立花隆は「脳死」や「臨死体験」を書いているので、それなりに期待したんだけど。ちょうど「天使の囀り」を読んだ直後だったので、臨死体験の本を読みたいと思…
ジェフ・アボット「図書館の死体」に続く、アボットのシリーズ二作目。図書館館長のジョーダンを主人公とするこのシリーズの本質的な面白さは、舞台が牧歌的な田舎ミラボーという所にある。静かな田舎が全然静かじゃないという面白さに尽きる(^^;)。今回の事…
石川英輔 講談社文庫。10年ぶりぐらいの再読。石川英輔で最初に読んだ本。その後、「大江戸神仙伝」などの小説や、この本と同じ傾向のノンフィクション「雑学大江戸庶民事情」や「2050年江戸時代」みたいなものも読んだけど、結局、これが一番面白い本かもし…
田村平治・田村暉昭 小学館文庫。四季折々の家庭でも出来る一汁三菜のもてなし料理、取り合わせの妙の即興料理、材料をとことん使いきる料理、おのおののレシピを紹介しながらも、日本料理の本質を織り込もうという努力が見られる所が面白いし、ためになる。…
吉田光邦 現代教養文庫。江戸時代、一般に思われているよりはずっと科学が進んでいた事は色々聞くけど、まとめてある本が少ない。広く浅くまとめてあるこの本は面白かった。算学の関孝和、本草学の稲生若水/小野蘭山、歴学/天文学の渋川春海、測量の伊能忠敬…
ジェイムス・P・ホーガン創元SF文庫ホントに久しぶりのホーガンのSF。ポリティカル・スリラーばかり書いていて、もうSF には戻ってこないと思っていたのに。原書ハードカバー出版は1996年。全体には「創世記機械」に似たイメージがある。21世紀、新たな世界…
群ようこ 角川文庫。森茉莉に関するノンフィクション(?)。群ようこでは異色作だと思う。群ようこのエッセイって、最近ではあんまり好きになれなかったけどこれは結構面白い。エッセイの味も半分あるけど、ノンフィクションというのが正しいのか?父森鴎外に…
玉村豊男 新潮文庫。7年間、軽井沢で田舎暮らしをしていたと思ったら、こんどは長野の農園開園顛末記。40過ぎの大病の後、「死に場所を探す」という思いを持つ。長野県東部町に死ぬまでの家を作るという経緯の記録。大変さも判るけど素晴らしさも判る、生と…
遠藤周作 講談社文庫。熊井啓監督で映画化されている。観た覚えはあるんだけど内容はほとんど覚えてない。主演は秋吉久美子、奥田瑛二。原作は1993年刊行、1994年には毎日芸術賞を受賞。遠藤周作なんて読むのはまったく久しぶり。インドのものというよりは、…
西岡直樹 講談社文庫。「深い河」「身体にやさしいインド」と、最近、特に理由もなくインドものが続いている気がする。著者は、カルカッタ、ジャドブプル大学ベンガル語学科に留学。留学中に民話収集や植物の調査を行う。この本は、そんな当時の一般庶民との…
K.S.ラヴィクマール監督、ラジニカーント、ミーナ、サラットバーブ。「ラジュー出世する」の面白さで、インド映画がブレイクするのは予想出来たけど、しかしここまで人気が出るとは…あまりに混んでいて、結局、終了直前にやっと観られた(^^;)。「ラジュー出…
「燃えよピンポン」の三原光尋監督、脚本。室井滋、伊原剛志、中川安奈。大阪の下町が舞台、スーパーの開店により危機をむかえるしんみち商店街。酒屋を切り盛りする百合子(室井滋)は、スーパーのオーナー夫人が幼なじみの紀子(中川安奈)と知り、ライバル心…
東京国際映画祭コンペティション。今回の映画祭の中では一番面白かった。これで一番というのも、ちょっと今回の映画祭は情けないという証拠か(^^;)。ガイ・リッチー監督。英国映画。初の長編劇場用の監督になる。ミュージック・プロモーションやコマーシャル…
東京国際映画祭特別招待作品。相米慎二監督、佐藤浩市、斎藤由貴、山崎努。ある意味、前作の「夏の庭」に似ている。「夏の庭」では少年たちと老人の交流から、生と死を見つめていたが、今回は家族の問題となっている。情緒不安定な妻の斎藤由貴、バブルがは…
今だ未見だけど、「超級大国民」が人気あったので楽しみにしていた。券は早く売りきれるし…、でも、期待外れだった。有休取って観に行ったのに(;_;)。ワンレン(萬仁)監督。子供を事故で無くした青磁活動家アドゥが主人公。タクシードライバーとして働いてい…
東京国際映画祭コンペティション。チャン・ヤン(張楊)監督、中国初のインディーズ映画でありながら、大ヒットを飛ばした映画。北京の現在の市井の人びとの生活を切り出しているのが、評価されたらようだ。花婿と花嫁、少年と少女、カメランと恋人など、数組…
東京国際映画祭コンペティション。ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督。家族を引っ張り出して撮った予算ゼロの映画。トルコの田舎に住む11歳と少女、7歳のその弟が主人公。四部構成になっている。ティーチインの話では、第一部を最初に取って、残りはずっと後に撮…
東京国際映画祭コンペティション。アラン・タネール監督、フランシス・フラパ、アンドレ・マルコン。「ジョナスは2000年に25歳になる」(未見)や「白い町で」などのアラン・タネール監督。ある程度実績あるというのに、何故に今さら映画祭のコンペティション…
東京国際映画祭特別招待作品。招待作品ならすぐにでも公開されるどだろうから、特に観たいものでは無かったのだけど、時間が空いていたので予定に入れたという作品。ダニー・キャノン監督、レオ・リオッタ、アンジェリカ・ヒューストン、ダニエル・ボールド…
東京国際映画祭コンペティション。クリス・エア監督の長編第一作、アダム・ビーチ、エバン・アダムス主演。アリゾナ州フェニックス、インディアンの居留地に住む青年が主人公。インディアンの10年前に消えた父親の訃報を知り、遺品を受け取りにいく親友と共…
ホウ・シャオシェン監督、トニー・レオン、羽田美智子、ミッシェル・リー。19世紀末の上海、娼館を舞台に、舞台的な閉鎖した空間の中で人間の愛憎の入り交じりった展開。それは、娼館らしい金と愛の駆け引きという所が結構面白い。でも、全体の舞台っぽい実…
東京国際映画祭コンペティション。ガリン・ヌグロホ監督、インドネシア映画。つまらなくは無かったけど、さほど面白くも無かったというレベル。インドネシア、ジャカルタのストリート・チルドレン3人が主人公、そして屋台店を出すシアーがみんなの母代わり…
アントワ・フークア監督、チョウ・ユンファのハリウッド進出第一作、ジョン・ウーが製作総指揮。「男たちの挽歌」シリーズのジョン・ウーが絡んでいるだけあって、香港スタイルの様式美がうまく生かされている。足抜けしようとする殺し屋が組織に追われると…
東京国際映画祭国際審査委員長作品特別上映。「戦場のメリークリスマス」「ラスト・エンペラー」のプロデューサのジェレミー・トーマスの監督デビュー作。ウォーカー・ハミルトンの同名原作。ジョン・ハート、クリスチャン・ベイル。子供の頃に交通事故で脳…
東京国際映画祭シネマプリズム。山仲浩充監督、緒方拳、江口洋介、清水真実。地方が舞台、多分仙台あたり。G1のサラブレットを盗んだ老人、チンピラ、少女が組み、身代金を要求する。設定自体面白いけど、展開が単純過ぎる所が多い。それでも、なんとなくほ…
ピーター・ウェアー監督、ジム・キャリー、エド・ハリス、ローラ・リニー。「ガタカ」の監督&脚本をやったアンドリュー・ニコルが脚本。企業が養子を取り、人生すべて24時間を生中継する。SFでは似た話はあるけど、壮大で奇想天外な設定が面白い。宣伝では…
渡辺孝好監督、一色伸幸脚本、安田弘之原作、遠藤久美子、高島礼子、濱田マリ、袴田吉彦、キング・トーンズ。TVシリーズの江角マキコのイメージが強いため全体のイメージがかなり違う。しかし監督の渡辺孝好、脚本の一色伸幸はそれを逆手に取って、映画や原…
ピーター・ホーウィット脚本監督、シドニー・ポラック製作、グウィネス・パルトロウ主演。電車のドアに開閉によって別れた二つの時間。同棲中の恋人の浮気を知って別れ新しい出会いをする、あるいは浮気を知らずに付き合い続ける。自分でオフィスを構え新し…
チェン・カイコー(陳凱歌)脚本監督製作、荒俣宏原作、コン・リー、チャン・フォンイー、リー・シュエチン。「花の影」以来の、チェン・カイコー監督。ただし、以前とは打って変わって、壮大なスケールの歴史劇。紀元前3世紀の中国戦国時代、秦王は武力によ…