電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1999-01-01から1年間の記事一覧

「日蝕」

平野啓一郎、新潮社。第120回芥川賞受賞作品。異端信仰の嵐吹き荒れるルネッサンス前夜の南フランスが舞台、神学者が主人公。錬金術、異端審判、魔女裁判などが絡みあった展開。文書自体は凝っていて面白いのだけど、中身が薄いと思う。これが「薔薇の名前」…

「暗闇に過去がよみがえる」- Still Watch - Mary Higgins Clark

メアリ・H・クラーク、新潮文庫。父と母を失った悲しい過去の事件が起きた家に、主人公パットが戻ってくる。アメリカ初の女性副大統領指名を目指す、上院議員アビーのTV番組を作るためであった。美しく才能があり、そして過去の事件に傷を持つ女性が主人公で…

「グリーン・マイル6 闇の彼方へ」- The Green Mile 6, Coffey on the Mile - Stephen King

スティーヴン・キング、新潮文庫。余韻があるラストが素晴らしい。実に人間味がある。老人の現在と回想という手法も実にうまく生きている。過去キングの最高傑作と言ってもいいと思うほど面白かった。名作と言ってもいいと思うけど、分冊という形式では失敗…

「グリーン・マイル5 夜の果てへの旅」- The Green Mile 5, Night Journey - Stephen King

スティーヴン・キング、新潮文庫。ストーリが一気に展開していく。面白い。過去と現在の関係も段々判ってくるし、ホラーでありながら、深い人間ドラマになっている。恐さは無い。素晴らしい。

「グリーン・マイル4  ドラクロワの悲惨な死」- The Green Mile 4, The Bad Death of Eduard Delacroix - Stephen。King

スティーヴン・キング、新潮文庫。うーむ、めちゃくちゃ面白い。この書き込みの上手さはさすがにキング。特に電気椅子の描写の上手さは抜群。

「グリーン・マイル3  コフィーの手」- The Green Mile 3, Coffey’s Hand - Stephen King

スティーヴン・キング、新潮文庫。コフィーの手、タイトルそのままの部分でストーリが段々見えてくる。ホラーめいた味が出てきて面白くなってきた。ストーリが進むにしたがって、コフィー、ドラクロアなどの人間も生き生きした感じがしてくる。

「グリーン・マイル2  死刑囚と鼠」☆- The Green Mile 2, The Mouse of the Mile - Stephen King

スティーヴン・キング 、新潮文庫。「グリーン・マイル1」を読んで、余りに面白くなかったので、このシリーズは断念していたが、通して読んだ周りの人の意見を聞くとみんな絶賛している。とりあえず、2は1ほど詰まらなくはなかった。少なくとも、2でやは…

「日本人のまっかなホント」

J・ライス/嘉治佐保子/浜矩子 マクミラン・ランゲージハウス。このシリーズも日本人となると、あまりに知りすぎているので、他とまた違う面白さになる。海外からどう思われているかを理解するという面ではいい本かも知れない。当たり前の事を海外の目から観…

「ネットフォース」

トム・クランシー/スティーブ・ピチェニック、角川文庫。背にはトム・クランシーの名前しか無いのはずるい。実際には共著。多分クランシーが担当しているであろうミリタリー・サスペンスの部分は面白いけど、コンピュータ部分はやっぱりイマイチな感じがする…

「悪童日記」-Le Grand Cahier- Agota Kristof

アゴタ・クリストフ 早川書房時代背景や場所は明らかにはしてないが、オーストリアに近い国境付近のハンガリーの田舎町、二次大戦の終わり頃、主人公の双子の子供の日記風の構成になっている。著者はハンガリー動乱を機に西側へ亡命している。全体が20世紀の…

「フランス人のまっかなホント」☆

ニック・ヤップ/ミシェル・シレット マクミラン・ランゲージハウス。イタリア編と同じで、フランスは旅行に行った事があるので、適度に知っていて面白い。何かにつけてスノッブ、官能的で恋愛に異常に情熱を注ぐ、遅刻の常習犯、食事にかけるエネルギーの膨…

「イタリア人のまっかなホント」

マーティン・ソリー マクミラン・ランゲージハウス。シリーズのイタリア編。このシリーズは面白い。旅行に行っていた事がある位の、適度に知っている国だと面白い。イタリア人の好奇心の旺盛さ、快楽主義、家族主義なトコが判る。食事にうるさい快楽主義で、…

「カヌー犬・ガク」

野田知佑 小学館文庫。1997年にフィラリアで死去したガクの話をまとめたもの。野田知佑の著書から、ガクに関するものを抜き出しや、書き下ろしを加えて編集しなおしたもの。まあ、それほど思い入れがある訳でも無いけど、野田知佑の自然観、動物観の判るエッ…

「リボーン」☆- Reborn - F.Paul Wilson

F・ポール・ウィルスン 扶桑社ミステリー売れないホラー作家、ジム・スティーブンスが遺伝学で有名なハンリー博士の遺産相続人に指名される。そこから明かされるジムの出生の秘密…。遺産絡みのホラーの設定は、ちょっと「悪魔のワルツ」を連想させる。「ロー…

「ターザン」- Tarzan -

ケビン・リマ/クリス・バック監督、声優はニー・ゴールドウィン、ミニー・ドライバー、グレン・クローズ、ロージー・オドネル、ランス・ヘンリクセン。物語はご存じターザンそのまま。アフリカの奥地で動物により育てられたターザンは、野生のゴリラの研究の…

「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」 - The Blair Witch Project -

ダニエル・マイリック/E・サンチェス監督脚本、ヘザー・ドナヒュー、ジョシュ・レオナルド、マイク・ウィリアムズ。メリーランド州の森の魔女の伝説のドキュメンタリーのがめ、大学生三人が森へ入っていく。そこで起る奇妙な出来事…。まるで恐くなかったけど…

「ゴースト・ドッグ」- Ghost Dog:The Way of the Samurai -

ジム・ジャームッシュ監督、フォレスト・ウィテカー、ジョン・トーメイ、C・ゴーマン。主人公のゴーストドック(フォレスト・ウィテカー)は、「葉隠」が座右の書でサムライ精神に魅了された殺し屋。ハイテクを使いながら、連絡は伝書鳩、ビルの屋上の小屋で鍛…

「地雷を踏んだらサヨウナラ」

五十嵐匠監督、浅野忠信、ロバート・スレイター、羽田美智子、市毛良枝。'72年ベトナム戦争時、25歳の戦場フリージャーナリスト、一ノ瀬泰造は、カンボジア民族解放軍クメール・ルージュの聖域であるアンコールワットを撮影することに熱意を燃やしていた…。…

「AMY/エイミー」☆

ナディア・タス監督製作、デヴィッド・パーカー制作脚本撮影、アラーナ・ディ・ローマ、レイチェル・グリフィス、ベン・メンデルソン、ベン・メンデルソン。ロックスターの父親の死により聴力障害となったエイミー(アラーナ・ディ・ローマ)は、歌うことでし…

「御法度」

大島渚監督、司馬遼太郎原作、松田龍平、浅野忠信、武田真治、ビートたけし、崔洋一。あんまり面白くなかった。新撰組に一人の美少年、加納惣三郎(松田龍平)が入隊した事により起こる混乱。松田龍平が、大根でしょうもなかった。その他の田代彪蔵役の浅野忠…

海の上のピアニスト」 The Legend of 1900

ジョゼッペ・トルナトーレ監督脚本、エンニオ・モリコーネ音楽、ティム・ロス、プルート・テイラー・ヴィンス、クラレンス・ウィリアムズ3世、ビル・ナン、ピーター・ヴォーン。1900年、大西洋往復の豪華客船ヴァージニアン号で生まれ、置きざりにされた子供…

「ファイト・クラブ」- Fight Club -

デイビッド・フィンチャー監督、ジム・ウールス脚本、ブラッド・ピット、エドワード・ノートン、ヘレナ・ボナム・カーター、ミート・ローフ・アディ、ジャレッド・レト。車両保険会社のサラリーマン、ジャック(エドワード・ノートン)は不眠症で悩んでいた。…

「ゴジラ2000ミレニアム」

大河原孝夫監督、鈴木健二特技監督、村田雄浩、阿部寛、西田尚美、鈴木麻由、佐野史郎。日本海溝で6千万年の眠りから覚めた地球外生命体。巨大な岩から出現した全長200メートルの巨大UFOと北海道納沙布岬に上陸したゴジラが、東京新宿で対決する…。性懲りも…

「ジャンヌ・ダルク」

リュック・ベッソン監督脚本、ミラ・ジョヴォヴィッチ、ジョン・マルコヴィッチ、フェイ・ダナウェイ、ダスティン・ホフマン、デズモンド・ハリントン。15世紀、フランスはヘンリー5世が率いる英国と"英仏百年戦争"のまっただ中、小作農の末娘のジャンヌ・…

「ワイルド・ワイルド・ウエスト」- Wild Wild West -

前回香港で観た時は字幕無しだったので、とりあえずもう一回観ておく。でも、印象は同じで、あいかわらずの能天気さ。

「ナビィの恋」☆

中江裕司監督、西田尚美、村上淳、平良とみ、登川誠仁、平良進。中江裕司監督は「パイナップル・ツアーズ」の第2話「春子とヒデヨシ」を監督しているらしいが、あまり印象になかった。特に期待も無く、どちらかというと「ひみつの花園」の西田尚美目当てで…

「無問題(モウマンタイ)」- 我是大丈夫 -

アルフレッド・チョン監督脚本、岡村隆史,ジェシカ・スン,佐藤康江、吉田親彦。恋人の玲子(佐藤康江)を追って香港までやってきた大二郎(岡村隆史)は、友人の健治(吉田親彦)のツテから映画のスタントマンを始める。そんな時、中国本土からの不法入国者として…

「青の炎」

貴志祐介 角川書店。書き下ろし。前作「クリムゾンの迷宮」はイマイチ好きになれなかったけど、この本は前半は凄くいい。人間がうまく出ていると思う。17才の殺人者、櫛森修一。舞台は鎌倉、湘南あたり。働く母を気づかい、妹を思い、離婚した父を憎む。家庭…

「永遠の闇に眠れ」- A Cry in the Night - Mary Higgins Clark

メアリ・H・クラーク 角川文庫。画廊で働く主人公ジェニーは、夫と別れ二人の子供と苦しい生活をしている。新進画家のエリックと知り合い結婚、ミネソタの広い農場で暮らすことになるが…。そこからの展開が、ヒッチコックの「レベッカ」「サイコ」などに似て…

「ボーン・コレクター」☆- The Bone Collector - Jeffery Deaver

ジェフリー・ディーヴァー。今年「フリッカー」を読んでなければ、文句なくナンバーワン。面白かった。リンカーン・ライム・シリーズ第一弾。首から下は左手の薬指一本しか動かせない四肢麻痺、元ニューヨーク市警の科学捜査本部長、世界最高の犯罪学者ライ…