電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「竜とそばかすの姫」

細田守監督。高知県の田舎町、17歳の女子高生すず(内藤鈴)は母を幼い頃になくして父と二人暮らし。内気な性格のすずも50億人が参加する仮想空間Uではベル(中村佳穂)というアバターの歌姫として注目されていたが、Uの中で恐れられている竜と偶然に出会う。そして親友ヒロちゃん(声:幾田りら)、幼馴染の忍(声:成田凌)、カヌー部カミシン(声:染谷将太)、ルカちゃん(声:玉城ティナ)たちを巻き込んでいくが…。細田守では「サマーウォーズ」に近い感覚でまあまあ好きな方。オープニングからの仮想空間上の圧倒的な絵作りは素晴らしいと思ったけど、最後はちょっと細かい方へ行きすぎかなあ。設定もかなり浅いところが多くて、そもそもすずが世界的な歌姫になれる背景はまったくないし、母の存在も薄い。竜を助けるというモチベーションがどこから来ているかもわからない。合唱隊の面々(森山良子、清水ミチコ坂本冬美岩崎良美,、中尾幸世)に至っては全面カットしても問題ないくらい存在感ない。モチーフにしている「美女と野獣」へ無理矢理に寄せた設定もよくわからない。ベルはそのまま、ガストンがジャスティン。AIたちはルミエールたちだと思うがAIの存在は最後の方が曖昧だし。そもそもUの世界はなんで匿名重視なのかも不明。色々、設定を考えて詰め込みすぎな感じで結局まとまらなかったって事なのだろうか。

http://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/

「ライトハウス」-The Lighthouse-

ロバート・エガース監督。1890年代、ニューイングランドの孤島の灯台。ベテランのトーマス・ウェイク(ウィレム・デフォー)と未経験のイーフレイム・ウィンズロー(ロバート・パティンソン)が四週間の灯台守りとしてやってくる。二人は小さな諍いを繰り返しながら日にちは進んでいくが、やがて島を嵐が襲う…。A24制作、「ウィッチ」のロバート・エガースが監督。2019年の映画だが、やっと日本で公開。物語は1801年英国ウェールズのスモールズ灯台における事件をベースにしているらしい。その他、ハーマン・メルヴィル灯台守りの話なども参考になっているとクレジットにあったような。外界と遮断された灯台を舞台に、登場人物はほぼ2人の灯台守だけで、彼らが徐々に狂気と幻想に侵されていく様を美しいモノクロームの映像で描いている。35mm白黒スタンダードでの撮影も効果的。ちょっと荒っぽさもあるが、観ている方も精神的に病んでくるような魔力はある。

https://transformer.co.jp/m/thelighthouse/

「東京リベンジャーズ」

英勉監督、和久井健原作「東京卍リベンジャーズ」。何をやってもダメなフリーターの花垣武道(北村匠海)は、高校時代の恋人ヒナタ(今田美桜)とその弟ナオト(杉野遥亮)が東京卍曾により殺害されたことをニュースで知る。そして武道は地下鉄のホームへ転落するが、10年前のヤンキーだった時代にタイムスリップしていた。そこで武道たち溝中メンバーを兵隊にしていキヨマサ、やがて総長マイキー(吉沢亮)、副総長ドラケン(山田裕貴)と出会い、ヒナタを救うために東京卍曾を潰そうとするが…。原作未読、アニメちょっとだけ。今回の映画では愛美愛主(メビウス)との8・3抗争まで。最近、タイムリープものは安直に使いすぎている気がするが、そこにヤンキーものを足してミステリ要素を入れたような内容。タイムリープの使い方や時間軸についてはあまりに安易な感じで、深くは考えられていない気がする。そこはSFマニアとしてはかなり気になるところ。物語的には、成り上り、見せ場、トラウマ克服などは出来ているけど、根本で人生の考え方が単純すぎな感じもする。しかし日本はなんでいまだにヤンキーものが好きなんだか。

http://wwws.warnerbros.co.jp/tokyo-revengersjp/

「ブラック・ウィドウ」-Black Widow-

ケイト・ショートランド監督。ブラック・ウィドウことナターシャ(スカーレット・ヨハンソン)は、シビル・ウォーでキャプテン・アメリカ側につき国際指名手配となりノルウェーに潜伏していたが、暗殺者タクスクマスター(オルガ・キュリレンコ)に襲撃される。ナターシャはブタペストの隠れ家に逃げ、ロシアのレッドルームの暗殺者でかつて妹として暮らしていたエレーナ(フローレンス・ピュー)と再会、レッドルームの首謀者ドレイコフ将軍(レイ・ウィンストン)が生きていることを知るが…。アベンジャーズは観ているけど大好きでもない自分には、アクションはまあまあ面白いが物語はどーでもいい映画になってるかな。「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」自体がどうでもいい感じで記憶に残ってないし。知られざる物語と言われても、それほどの感慨もない。スカーレット・ヨハンソンの妹役が「ミッドサマー」主演のフローレンス・ピュー。スパイ・暗殺者の割に太り過ぎじゃない と思ったが、あえて無理なダイエットを拒否しての出演らしい。それはそれでかっこいいか。タクスクマスターは面白み薄い。

https://marvel.disney.co.jp/movie/blackwidow.html

「アジアの天使」

石井裕也監督。小説家の青木剛(池松壮亮)は息子・学(佐藤凌)を連れ、ソウルの兄・透(オダギリジョー)の元を訪ねるが、透はその日暮らしの生活を送っていた。一方、元アイドルの歌手チェ・ソル(チェ・ヒソ)は所属事務所の社長と関係を持ちながら場末の仕事を続け、兄ジョンウ(キム・ミンジェ)、妹ポム(キム・イェウン)と暮らしていたが…。石井裕也監だけどほとんどは韓国スタッフ、キャスト。出だしからなんか妙な魅力はあるが、物語的にはとっちらかっているなと思いつつ、中盤からロードムービーになり不思議にまとまってくる。微妙だけど、観た後の感じは悪くないな。日本と韓国の文化的な対立のさせかたも面白い。芹澤興人のキャストはかなり謎だけど、面白いことは面白い。「町田くんの世界」 といい妙なアクセントを持ってくるな、この監督は。

https://asia-tenshi.jp/

「ゴジラvsコング」-Godzilla vs. Kong-

アダム・ウィンガード監督。特務機関モナークの髑髏島第236前哨基地での収納が難しくなるほどに巨大化したコングは移送される事になり、言語学者アイリーン(レベッカ・ホール)、少女ジアたちも同行する。またマディソン・ラッセル(ミリー・ボビー・ブラウン)と友人ジョシュは、陰謀論ポッドキャストのバーニー・ヘイズ(ブライアン・タイリー・ヘンリー)とともにエイペックス・サイバネティクスを調査しようとする。一方、エイペックスのウォルター・シモンズ(デミアン・ビチル)と芹沢猪四郎博士の息子・蓮(小栗旬)はゴジラ用新兵器のため、地球空洞説のネイサン・リンド(アレクサンダー・スカルスガルド)の協力を求めるが…。全体にスピード感ある展開と、ダイナミックで迫力ある怪獣アクションがうまく融合していてエンタメ作品としては悪くない。これだけのケレン味ある怪獣の映像は、日本映画ではもはや作れない気がする。世界に通用する物語も作れないかな。人間側のドラマといえば、ちょっとバラバラになりすぎでまとまり感が欠けるし、キャラは多いがそれぞれに魅力も薄い。でもまあ、怪獣映画としてみれば悪くない。あと地球空洞説を持ってくるのは驚いたが、それも観ていると納得してしまうパワーはあるな。異次元世界の方がまだ納得できるのに。次回作も次次回作もうまく企画できそうなベースが整った。小栗旬は白目ばかり話題になって可哀想。

https://godzilla-movie.jp/

「いとみち」

横浜聡子監督、越谷オサム原作。弘前市の高校に通う16歳の相馬いと(駒井蓮)、母は幼い頃に死去、大学教授の父(豊川悦司)と祖母ハツヱ(西川洋子)との三人暮らし。津軽弁と人見知りのいとは、幸子(黒川芽以)、智美(横田真悠)、工藤店長(中島歩)のメイド喫茶店でアルバイトする事になるが…。原作未読。監督・横浜聡子も主演・駒井蓮も青森出身で、青森愛強く、方言ばかりでホント半分は何言っているか分からない。でも、そこがかなり面白いトコだけど。物語的には結構ストレートで変化球なし。演出は監督の前作「俳優 亀岡拓次」 みたいなちょっとオフビートなトコは薄かったのは残念。同級生の早苗(ジョナゴールド)は、印象的なキャラなのに物語に綺麗に収まってない感じ。津軽三味線シーンが意外に少ないのもちょっと残念かな。

http://www.itomichi.com/