電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「マイスモールランド」

川和田恵真監督。埼玉に住む高校生、チョーラク・サーリャ(嵐莉菜)はクルド人難民で父(アラシ・カーフィザデー)、妹アーリン(リリ・カーフィザデー)、弟ロビン(リオン・カーフィザデー)との四人ぐらし。進学のために東京のコンビニでバイトをして聡太(奥平大兼)と知り合うが、そのころ難民申請が不認定となる…。是枝裕和の分福の若手・川和田恵真の初監督作品。初監督とは思えない硬派な社会派ネタと繊細な描写はなかなかによい。在日クルド人を扱うところだけでかなりなモンだけど、難民申請、県を超えられない制限、労働問題など、次々と不条理な制度を浮かび上がらせてくれるスピード感ある展開が上手い。主演の嵐莉菜が初出演らしいのだが、これが全編凄く繊細でいい演技をしていて驚かされる。未経験の役者を上手く使う、この辺は分福のうまさだなあ。クルド人だけどどこの国から来たかは明確にしてない、トルコという前提だろうか。サヘル・ローズも出演。

https://mysmallland.jp/

「オードリー・ヘプバーン」-Audrey-

ヘレナ・コーン監督。オードリー・ヘプバーンのドキュメンタリー、父との別れ、ナチス占領下のオランダから、ブレイク前、「ローマの休日」 での人気、その後…。ともと好きなもんで、家族のこともブレイク前とかも知っているので、新しい事はなかった、ってのが素直な感想。でも、まあ大画面で観られたのは良かったか。登場は、息子のショーン・ヘプバーン・ファーラー、孫のエマ・キャスリーン・ヘプバーン・ファーラー、監督のピーター・ボグダノビッチ、ジバンシィのクレア・ワイト・ケラーなどなど。

https://audrey-cinema.com/

「死刑にいたる病」

白石和彌監督、高田亮脚本、櫛木理宇原作。鬱屈した日々を送る大学生・雅也(岡田健史)のもとに、24件の連続殺人事件の犯人・榛村大和(阿部サダヲ)から1通の手紙が届く。榛村は犯行当時パン屋を営んでおり、中学生だった雅也もよく店を訪れていた。手紙の中で、最後の事件は冤罪であることを証明してほしいと雅也に依頼するが…。なんとも、どんよりとした気分にさせてくれる、GW映画からは対極な暗い印象。「愚行録」とか「冷たい熱帯魚」とか、痛くて残虐でメンタルにもグサグサささる映画、個人的には結構好きだけど。冤罪云々について、ちょっとイマイチな展開なんだが、原作ではどうっているのかが気になる。ポイントになるんだから、もうちょっと深みがあってもよかったのに。原作未読だが、これは読んでみるかなあ。

https://siy-movie.com/

「ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス」-Doctor Strange in the Multiverse of Madness-

サム・ライミ監督。禁断の呪文によって時空を歪ませたドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は、かつての恋人クリスティーン(レイチェル・マクアダムス)の結婚式の日、一つ目の怪物から街を守ろうとする。そこで夢に現れた少女アメリカ(ソーチー・ゴメス)と出会うが、彼女はマルチバースを移動する能力を持っていた。そして、ワンダ(エリザベス・オルセン)に助けを求めに行くが…。全体に子供向きって印象を受ける。なんか、ワンダ=スカーレット・ウィッチ周りで知らない設定がずいぶんと入っている感じがしたが、世間の噂では、ドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」を観ているのが前提みたい。それは分からないはずだよなあ。アメリカは凄い能力なのに存在感は意外に薄かったのでなんか肩透かし。マルチバースってもんで、全体にダメになっている気がするなあ。「スパイダーマン:スパイダーバース」は面白かったんだが。

https://marvel.disney.co.jp/movie/dr-strange2.html

「ツユクサ」

平山秀幸監督、安倍照雄脚本。芙美(小林聡美)は、港町で一人暮らし。工場で働き、同僚の直子(平岩紙)と妙子(江口のりこ)と仲良し。直子の息子、天文好きの小学生の航平(斎藤汰鷹)とも仲良しだが、町に引っ越して来た吾郎(松重豊)と出会う…。安倍照雄によるオリジナル脚本らしい、しかしこの題材がなんで平山秀幸監督?とも思った。小林聡美が出るとなんかオフビート感が出てしまうが、まあそんな感じのドラマでしかない。悪い話じゃないし演出もまあまあだが、平凡ではあると思う。なにしろ、芙美が一人暮らしする理由とか、説明されるまでもないし、吾郎の背景とかも平凡すぎ。

https://tsuyukusa-movie.jp/

「マリー・ミー」-Marry Me-

カット・コイロ監督、ボビー・クロスビー原作。世界的な歌手キャット(ジェニファー・ロペス)は、やはり新星の歌手バスティアン(マルーマ)とコンサートで結婚式をあげようとするが、直前にバスティアンの浮気が発覚。コンサートの客席に数学教師チャーリー(オーウェン・ウィルソン)、娘のルー(クロエ・コールマン)、同僚パーカー(サラ・シルバーマン)がいたが、キャットは見知らぬチャーリーにプロポーズする…。セレブとの恋愛話で「ノッティングヒルの恋人」 っぽい。ヌルさはあるのだが、思ったよりはよく出来ているなあと思った。52歳としてはジェニファー・ロペスがんばってる。うがった視点でいうと、イメージアップのためのジェニファー・ロペスの戦略とも思える、製作もやってるし。娘のクロエ・コールマンは、「ガンパウダー・ミルクシェイク」の娘だが印象的なキャラである。 https://www.universalpictures.jp/micro/marry-me/

「パリ13区」-Les Olympiades-

ジャック・オーディアール監督。コールセンターで働く台湾系フランス人のエミリー(ルーシー・チャン)は、アフリカ系男性の高校教師カミーユ(マキタ・サンバ)とルームシェアすることになる。また、ソルボンヌ大学に復学したノラ(ノエミ・メルラン)は、ポルノスターのアンバー・スウィート(ジェニー・ベス)と勘違いされてしまうが…。白黒映画、パリのミレニアム世代だが、台湾系、アフリカ系と多彩なのがイマドキなのかもしれない。日系アメリカ人のグラフィックノベル作家エイドリアン・トミネの短編集からの着想らしい。この人はレイモンド・カーヴァー風と言われるらしいが、なるほど、物語にも確かにカーヴァー風のタッチを感じる。

https://longride.jp/paris13/