1999-10-01から1ヶ月間の記事一覧
坂口安吾 角川文庫。「魔の退屈」「私は海をだきしめていたい」「ジロリの女」「行雲流水」「肝臓先生」の五編。「肝臓先生」は映画「カンゾー先生」の原作で、確認のために読んでみる。まあ、映画化は随分と話を膨らませてあって、イメージも随分と違う。基…
A.J.クィネル、新潮文庫。クリーシィ・シリーズ第五弾。クメール・ルージュの美しく残虐な女戦士コニー・ロン・クラムがクリーシィにかけた罠。まあ、平凡な展開ではあるけどではあるけど、最後の戦いなどは結構読ませる。「極大射程」などのスティーブン・…
柳美里、講談社文庫。三本の短編集。表題作は、第116回芥川賞受賞作であり、映画「家族シネマ」の原作。映画の追体験という感じで読んでしまったが、文章もいい感じ。映画が結構、原作に忠実だったのが意外。他に、同棲中の女の心情を描く「真夏」、転校生の…
坂東眞砂子、集英社文庫。「屍の聲」「猿祈願」「残り火」「盛夏の毒」「雪布団」「正月女」の六編のホラー短編集。因習、風土、情念、呪縛といったテーマを扱う、「死国」、「狗神」などの他の坂東眞砂子と同じ様な作風。どれも完成度が高いが、特に「猿祈…
ミアリ・H・クラーク 新潮文庫。五編の中編集。「アナスタシア・シンドローム」のアナスタシアは帝政ロシア最後の皇帝ニコライ二世の第四皇女。最近でも、アニメ「アナスタシア」が作られているているぐらい有名。しかし、このアナスタシア・シンドロームは…
レス・スタンディフォード、創元ノヴェルズ。イェローストーン国立公園でタンクローリが横転事故を起し、そこから軍事用に開発されたエボラ・ウィルス並の凶悪な病原菌が広がる。著者はフォレスト・サービス、パーク・サービスに従事していただけあって、公…
スティーヴン・ハンター、公手成幸訳 、扶桑社ミステリー。ブラック・ライト」、「極大射程」の正統的なヒーロー物語とはまるで違う路線で驚いた。終身囚ラマー・パイ、その従弟のオデールと、元美術教師の三人がマカレスター重犯罪刑務所から脱走する。殺し…
スティーブン・キング、文春文庫。「ランゴリアーズ」、「秘密の窓、秘密の庭」の中編のニ作。しかし、キングの中編は普通の長編分はたっぷりある。「ランゴリアーズ」はTVドラマで映像化されているのを先に観ているので、それの追体験という意識が強かった…
フェデリコ・カルパッチョ、訳と註 小暮修、幻冬舎。「エル・ジャポン」、「クレア」などに載せたものの書き下ろし。イタリア人のカルパッチョの旅行、という体裁だけど、これはほんとにイタリア人?多分、訳者の小暮修が書いていると思う。文章はちょっと面…
東野圭吾 文藝春秋。「週間文春」ミステリーベスト第3位、「本の雑誌」日本のミステリーベストテン第1位。映画「秘密」の原作。どちらかというと、映画と比較しながら読んでしまった。原作が映画と大きく違うのは、事故の時の年が小学校6年という事、ラスト…
ジェイ・R・ボナンジンガ 、福武文庫モダン・ホラー。導入部から抜群の面白さ。黒人のルーカス、相棒の女性ソフィーが運転する巨大トラック「ブラック・マライア」。二人は「呪いで車が停められない」という男メルヴィルからの無線をキャッチする事から始ま…
帚木蓬生、新潮文庫。
帚木蓬生 新潮文庫。「閉鎖病棟」、「臓器農場」の帚木蓬生だけど医学ミステリーでは無く、歴史サスペンス。日本経済新聞社刊「総統の防具」の改題。1938年ベルリン、日独混血の駐在武官補佐官幸田光彦が主人公、ナチス・ドイツが舞台。父の祖国ドイツの現実…
面白い!これだから英国映画からは目を離せない。マーク・ハーマン監督、ジェイン・ホロックス、ユアン・マクレガー、ブレンダ・ブレシン、イケル・ケイン。レコード屋の父親の死後、自分の殻に閉じこもり無口になったLV(リトル・ヴォイス)が主人公。母親の恋…
デヴィッド・ウィンクラー監督、ハーヴェイ・カイテル、ジョナサン・シャーチ。妻を交通事故で亡くし、青いキャデラックで傷心の旅を続けているバイロン(ジョナサン・シャーチ)は、自分をエルビス・プレスリーと名乗る中年の男(ハーヴェイ・カイテル)と出会…
ジョナサン・カプラン監督、クレア・デインズ、ケイト・ベッキンセール。高校の卒業旅行でタイを訪れたアリスとダーリーン。魅力的な白人の青年と知りあうが、その直後に二人はヘロイン所持で逮捕される…。実話をベースにしているらしい。退屈はしないけど、…
レニー・ハーリン監督、トーマス・ジェーン、サフロン・バローズ、サミュエル・L・ジャクソン、ジャクリーン・マッケンジー、LL・クール・J、マイケル・ラパポート。レニー・ハーリン監督と言えば、「ダイ・ハード2」「クリフハンバー」「ロング・キス・グッ…
ジングル・マ監督撮影、イーキン・チェン、チャン・シウチョン、ケリー・チャン。CIA特殊機関でVR技術を使った戦士育成を受けるタンゴ、C.S.、ブルーの昔馴染み三人。ある日、テロリストにC.Sの婚約者が殺され、ブルーが誘拐される。香港映画得意の友情、愛…
カーク・ジョーンズ監督脚本、イアン・バネン、デヴィッド・ケリー、スーザン・リンチ。舞台は南アイルランドの小さな村。12億円の宝くじが当たったために起こる大騒動。初監督作品とは思えない冴えた演出で、テンポもよく、また人々の描き方が暖かいのが素…
朴哲沫(パク・チョルス)監督製作、柳美里原作、梁石日(ヤン・ソギル)、伊佐山ひろ子、柳愛里、中島忍、松田いちほ。98年韓国芸術映画賞、原作「家族シネマ」は第116回芥川賞受賞作品。韓国映画ではあるのだけど、全編日本語、日本ロケ。バラバラだった家族5…
ヤン・デポン監督、リーアム・ニーソン、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、オーウェン・ウィルソン、リリ・テイラー。マロー教授の被験者として不眠症の男女がヒル・ハウスに集められる…。奇怪な装飾に埋めつくされた城と、CGで作られた怪奇現象はなかなかいい…
中川信夫監督、天知茂、沼田曜一、三ツ矢歌子。1999年東京国際ファンタスティック映画祭。、中川信夫没後15年追悼上映会。特殊メイク、特殊効果では古典的、歴史的な作品と言われるけど、改めて映画として見直すとなんとも、古臭いというか、笑っていいのか…
1999年東京国際ファンタスティック映画祭。ジョゼフ・ラスナック監督、クレイグ・ビアーコ、グレッチェン・モル、ヴィンセント・ドノフリオ。ヴァーチャル・リアリティで実現された1937年のロサンゼルス。ボスが殺害され、容疑者となった主人公が真犯人を追…
1999年東京国際映画祭コンペティション。デニス・イェフスティグニェフ監督、ノンア・モルジュコーワ、オレグ・メンシコフ、ウラジーミル・マシオフ。6人兄弟からなる人気音楽バンド、その未亡人の母の指揮のもと、演奏旅行中に米国への亡命を求めてハイジ…
1999年東京国際映画祭コンペティション。デヴ・ベネガル監督、ラフール・ボス、ライラ・ローアス、シヴァジー・サタム。結果的に今年の東京国際映画祭の中では一番面白かった。舞台はボンベイ、誘拐された花売りの娘を追う男が主人公。現代のインドがリアル…
1999年東京国際映画祭コンペティション。マリアナ・ロンドン監督、サルヴァドル・デル・ソラル、マリア・フェルナンダ・フェロ、コスタンサ・モラレス。大津波が襲うとしている南アメリカのある港町、主人公セバスティアンとアナ、少女の三人の物語。不思議…
ゲーリー・マーシャル監督、ジュリア・ロバーツ、リチャード・ギア。結婚式を3度も逃げ出した経験のあるマギー(ジュリア・ロバーツ)と、それを取材にきた人気のコラムニスト、アイク(リチャード・ギア)とのラブ・コメディ。監督主演が同じ「プリティ・ウーマ…
ヒュー・ウィルソン監督脚本、ブレンダン・フレイザー、アリシア・シルヴァーストーン。キューバ危機の1962年、核戦争勃発との勘違いから核シェルターで育てられたアダムが主人公。90年代になり外の世界に足を踏み出したアダムが産み出す、カルチャー・ギャ…
菅原浩志監督脚本、辺土名一茶(DA PUMP)、上原多香子、袴田吉彦、原田健二。なんか、どーしようも無い映画。音楽好きな少年マサト(ISSA)が古いレコード屋に出会い、そこを再建させるメインのストーリに、レコード店の少女美希(上原多香子)との恋物語が絡む…
レオス・カラックス監督、ギューム・ドパルデュー、K・ゴルベワ。カラックスという事で「汚れた血」「ポンヌフの恋人」の様に、スリリングな愛の映画を期待していたのだが、なんか退屈だった。冗長な展開で、緊張感がまったく感じられなかった。映像は奇麗だ…