電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1997-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「涙はふくな、凍るまで」

大沢在昌 朝日新聞社。監督萩庭貞明、主演萩原聖人で映画化された「走らにゃあかん、夜明けまで」の原作の続編。前作は未読。大阪でヤクザ相手に立ち回ったポテトッチップスを売るサラリーマン坂田勇吉が、今度は北海道の地で、ロシア・マフィア相手に立ち回…

「エヴァン・スコットの戦争」

☆。ミッチェル・スミス新潮文庫「ストーン・シティ」のミッチェル・スミスの新作。「ストーン・シティ」はその年のベスト3に入るぐらい好きだったので、これも期待の一作。謎の転落事故を目撃する建築家が主人公。それがインド系秘密結社との結び付き、全面…

「ギョーザのような月がでた」

椎名誠 文藝春秋。週間文春に1996~1997の間に連載されたエッセイのまとめ。つまらなくは無いのだけど、なんとも軽い内容であんまり中身が無いのが寂しい。雑誌で読んでるぐらいならいいんだけど、まとめて読まされると辛い。忙しくい執筆で、原稿用紙の升目…

「左手に告げるなかれ」

渡辺容子 講談社。第42回江戸川乱歩賞受賞。元不倫相手の妻が殺される、その容疑者が主人公。万引きや社内不正を取り締まる保安士の仕事、コンビニの実態など知らない話が実に面白い。女性が主人公のハードボイルド・ミステリーとしては好き。

「戦時下動物活用法」

清水義範 新潮文庫。週間小説に載った短編を集めたもの。面白いものもあるが、ほとんどはつまらない。清水義範のベストからはかけ離れたレベル。なかでも、「こだわりの旅」「服を買う」あたりはまだよかったけど、多少笑える程度。「国語入試問題必勝法」や…

「女神の沈黙」

アンネ・ホルト 集英社。ノルウェーの小説というだけで珍しいのに、前職女性法務大臣によるベストセラーというサスペンス。実際、展開のテンポが悪くてかったるい所も多いのだけど、内容は面白かった。やはり、現場にいた人のリアリズムというのは面白い所が…

「エイミー」

バリ・ウッド 扶桑社。クローネンバーグが監督した「戦慄の絆」の原作者のバリ・ウッド。「戦慄の絆」自体は読んだ事ないのですが、この「エイミー」も人間のメンタルな部分と超自然な能力を扱っている。主人公、エイミーの幼児期のトラウマと超自然的な能力…

「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」

中島らも 集英社文庫。考えてみると、中島らもは、「人体模型の夜」と「ガダラの豚」の二作しか読んで事が無い。しかし、「ガダラの豚」は圧倒的に面白くて、思わずファンレターを出してしまった程。旅行中のための軽い読み物を捜していて、ちょうどこれを見…

「行ってみたいな、童話(よそ)の国」

長野まゆみ 河出書房新社。長野まゆみは「少年アリス」以来、注目しているのだけど、でもあんまり読んで無い(^^;)。「グリム童話」や「アンデルセン童話」が持つ、残酷性、不条理やその他もろもろを引き出して仕上げた、「ハンメルンの笛吹き」、「ピノッキ…

「大江戸魔方陣」

加門七海 河出書房新社。江戸を守るために作られた風水的呪術の解明の書であるが…、まあ理解は出来るのだけどこじつけっぽい所もあるのじゃないかなあ。正確な地図無しでどうやって、広大な幾何学図形を作れるのか疑問だし。そもそも、観相学を基礎にする風…

「帰還」

ディック・フランシス ハヤカワ文庫。まあ、いつも通りに安心して楽しめる読めるディック・フランシスだった。でも、ちょっと盛り上がりに欠けるし、花が無かった気がする。主人公が外交官ってのがちょっと地味過ぎる。

「震源」

真保裕一 講談社文庫。「奪取」が気に入ったので、真保裕一モノは出来るだけ目を通すようにしている。津波警報のミス、地震観測データを持ったまま行方不明の教授などなど、出だしの引きつけ方が上手くてかなり引き込まれた。でも、後の方になるほど展開がダ…

「アジアの路上で溜息ひとつ」☆

前川健一 講談社文庫。香港への旅行中に読んでいた一冊。相変わらずのアジア各国のエッセイであるが、やはりこの人のは安心して読めるし、面白い。食べ物関係の話題は読んでいて楽しい。「銀行の天使、スリの仁義」では、パスポート、航空券、現金、トラベラ…

「殺し屋&嘘つき娘」

「SCORE」などの俳優、小沢仁志が脚本、監督、主演。ビビアン・スー演じる娘のボディー・ガードを引き受けた小沢仁志演ずる殺し屋が主人公。タクシードライバーも絡み、逃走劇が始まる。全体として、小沢仁志の目指すハードボイルドのスタイルというモノは理…

「私たちが好きだったこと」

松岡錠司監督、宮本輝原作。岸谷五朗、寺脇康文が住む公団住宅に、酒場で知り合った鷲尾いさ子、夏川結衣が押しかけ男女4人の共同生活が始まる。不倫や不安神経症の現代的な悩みと愛情が交錯しドラマが展開。その結末もあまりに現代的、現実的。それぞれの…

「シャ乱Qの演歌の花道」

監督が滝田洋二郎だけあって、無難にうまくまとまっている。ほとんど期待してなかった分、楽しめた(「キャッツ・アイ」があまりにつまらなかったせいもあるけど)ロック・シンガーだった、つんく演じる乱之介。芸能プロにスカウトされるがそこはド演歌の世界…

「ジャングル大帝」

「もののけ姫」とぶつからなければ、もうちょっと親子連れも入ったと思うけど、実際、ガラガラでした(^^;)。このアニメのメイキングについてはよく知らないのですが、CGとか、オリジナルの「ジャングル大帝」の映像を使っているんですよね?最初のシーンの躍…

「キャッツ・アイ」

林海象が監督。「夢見るように眠りたい」が好きなので、この監督、諦めきれないんだけど、駄作も多い(^^;)。これは、その駄作の中でもワースト1かも(^^;)。まあ、とにかくダルい展開と、下手な演技を延々と見せつけられると、これは同時上映「シャ乱Qの演…

「ザ・ターゲット」- Shadow Conspiracy -

チャーリ・シーン、リンダ・ハミルトン主演。ハミルトンは「ターミネータ」ではいい感じだったのだけど、その後、あんまりいい役が無い。ま、本人自身、ちょっと花が無い気がするが残念。監督は、「カサンドラ・クロス」「ランボー・怒りの脱出」「コブラ」…

「フィフス・エレメント」- The Fifth Element - ☆

今や大監督になってしまった、リック・ベッソンの新作。大作ではあるけど、この映画は彼の中ではかなり特殊な位置になるんじゃないかな。非常に気楽に、遊び心を出して作っている。これを超大作のSF映画を望んで観に行ってしまうと悲しいかも(^^;)。ちょうど…

「釣りバカ日誌9」

「男はつらいよ」の無き後、年寄り向けの映画はこれぐらいしかなくなってしまったのだろうか。まあ、それなりに人が入っているのは、そのせいかな。安心して観られるし、出来はそれほど悪くないし、まあ、いいでしょう。ハマちゃんの奥さんは浅田美代子だし…

「素晴らしき日」- One Fine Day - ☆

四月にローマへ行った時に機内上映で観たのですが、その時にかなり気にいりました。機内上映では英語か吹き替えかしか選べないので、日本での公開を楽しみにしてました。これで合計三回観た事になるんですが、やはり面白いです。ラブ・ストーリとしてはお気…

「アナコンダ」 - Anaconda -

「山猫は眠らない」のルイス・ロッサが監督。「山猫…」もそうだけど、設定が十分に活かされないところが残念。凄く面白くなる可能性もあったのに。伝説の使い方とか不十分だし、最後の盛り上げ方とか常套手段過ぎるし。まあ、それなりには楽しめますが。巨大…

「OL忠臣蔵」

「夜逃げ屋本舗」の原隆仁が監督脚本。米国のバリバリのエリート(南果歩)が、日本の通販会社に乗り込み乗っ取りを図る。それを阻止しようと結束するOL6人。坂井真紀、細川直美、吉野公佳、中島ひろ子、井手薫、奥山佳恵。まあ、それなりにそれなりなんだけ…

「バウンド」 - Bound - ☆

インディーズ出身の監督なのかな、なんかあまり情報が無くて判らないのだけど、アンディ・ウォシャウスキー。監督、制作、脚本を一人でやっている所をみると、ほとんどインディーズ系と言ってもいいでしょう。ギャングの情婦と女泥棒の二人がレスビアンの関…

日陰のふたり

原作の英国の文豪トマス・ハーディ、有名なのは知っているけど今だ読んだ事ないです。恥ずかしながら。19世紀の英国、愛し合いながらも結婚してないために迫害を受けるいとこ同志の二人が主人公。この二人を巡る苦悩がメインストーリなんだけど、なんか悲劇…

「心の指紋」 - Sunchaser - ☆

マイケル・チミノ監督、制作。チミノの前作というと、「The Fugtive」じゃない「Desperate Hours」の方の「逃亡者」ですかね。もう7年も前になるんですが、ずっと作ってなかったんでしょうか。「心の指紋」もそれほど話題にはなってないと思うし。私はこの…

「マルタイの女」

監督の伊丹十三自身の経験から、マルタイ(身辺警護の対象者)の映画を作る気になったらしいけど…、どうも、いつもの綿密な調査による面白さが無い。映画としては詰まらなくても「スーパーの女」でも、内輪の知られざる情報的な面白さがあったのに今回はあまり…

「ボディ・バンク」- Extreme Measures -

不可解な死をとげた男の謎を追う緊急医療室(ER)の医師が主人公ヒュー・グランド。謎を追ううちに、調査に横槍が入り、見に覚えの無い罪を着せられ、大きな陰謀の臭いを感じる。まあ、よくあるパターンで新鮮味が無い。ジーン・ハックマンが悪役というのも新…