電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1997-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「コントロール・ドラマ」-それはアダルト・チルドレンを解くカギ

信田さよ子 三五館。「アダルト・チルドレン完全理解」の著者の信田さよ子の著書。基本的に重複した内容が多いが、日本の家族における共依存についてが主たる話題。セラピーをやっているだけあって、離婚や家族解散など現実的な解を出している所が面白い。中…

「日本とアメリカの逆さの常識」

アントラム栢木利美 中公文庫。米国に住むなら、それも小さい子供を米国で育てようと思うなら、凄く参考になると本だと思う。米国人の夫と二人の子供と、サンフランシスコに住む著者の経験からのエッセイ。その現実的な所と細かい所が実に面白い。ほとんど世…

「本格推理(10) - 独創の殺人鬼たち」

鮎川哲也編。すでに10冊目になるのに、実はあまり読んだことが無かった(^^;)。好きなの嫌いなのは半々ぐらい。個人的にはトリックに主体を置いた本格モノよりも「エジプト人がやってきた」みたいな気軽なのが面白かった。やはりプロで無いだけあって、文章が…

「この文庫本がすごい!」

宝島社。'97年版はとっくの昔に出ていたけど、今ごろ読んでみる。参考になるけど、ちょっと読むのが遅かったか(^^;)。

「親を殺した子供たち」- Sole Survivor -

エリオット・レイトン、草思社。なかなか面白い。M・スコット・ペック の「平気でうそをつく人たち」-虚偽と邪悪の心理学-みたいに一つ一つの例を深く突っ込んで調べている所が米国のジャーナリズムっぽい。億万長者の息子が家族が乗ったワゴン車を爆破、陸…

「僕が20世紀と暮らしていた頃」

野田秀樹 中公文庫。「マリ・クレール」に連載していた野田秀樹のエッセイ。2035年の野田秀樹が孫たちにする昔のお話の形になっている。この構成はちょっと面白い。取り上げるネタは牛乳瓶、ガリバン、カエルの解剖、道端、クジラ、お下がり、そろばん、ダイ…

「まぼろしの完全犯罪」斎藤栄ベスト・コレクション1

斎藤栄 文春文庫。時間つぶしに本が欲しかったので、しょうがないからキオスクで買った本(^^;)。まあ、斎藤栄ってのがいかにも時間つぶしっぽいけど。斎藤栄自選のお勧め品を文庫本化するシリーズらしい。「勝海舟の殺人」(「虹の幻影」改題)、「日本のピラ…

「インティシティ」下 Intensity- Dean Koontz

ディーン・クーンツアカデミー出版

「インティシティ」上 - Intensity- Dean Koontz

ディーン・クーンツアカデミー出版犯罪心理学を学ぶ女性が、見知らぬ少女を救うために猟奇的な殺人犯に立ち向かう。出だしがあまりに唐突で、展開も唐突。なんか、ストーリ・テーリングとしての面白さは薄い。このストーリ自体は、犯罪心理学の専門家が、い…

「クラッカー」

建蔵圭介 角川書店。横溝正史賞佳作。定年間際の男が、復讐のためにシステムに侵入し、銀行から大金を奪う。その犯罪が以外な展開を生んでいく。オタク的なディティールは面白かった。でも、ストーリ的には単純過ぎて面白くなかった。月曜ドラマスペシャルで…

「視覚のトリック - だまし絵が語るしくみ」

R.N.シェパード 新曜社。だまし絵についてまとめた本。だまし絵の内容的な分類が多いが、パルテノン神殿の柱が錯覚のためにわざと反対側に曲げてある事や、15世紀から17世紀にかけてのルネッサンス後期のミケランジェロやボッロミーニといったローマの画家や…

「アフォーダンス-新しい認知の理論」☆

佐々木正人 岩波書店 岩波科学ライブラリー12。アフォーダンスについては、デザインや認知の分野で多少は聞いた事はあったが、まとめた本を読んだのは初めて。というか、アフォーダンスについてまとめた本はこの本しか知らないが(^^;)。「情報は人間をとりま…

「日本語はいかにつくられたか?」☆

小池清治 ちくま学芸文庫。ちらりと読んだ内容からはムズカシそうな雰囲気がしたのだけど、読んでみるとこれが理解しやすく、何しろ面白い。日本語の成立についてこれだけ判りやすく書いている本は初めて。後書きを読んでみると、なるほど、「仮想読者は高校…

「男子厨房学入門(メンズクッキング学入門)」☆

玉村豊男 文春文庫。男の料理を扱った本は多いけど、著者が玉村豊男となるとそれがありきたりでない事は予想出来る。内容的に面白かった。実に理論的、明快にワンステップづつ基本を学んで行くのが面白い。料理の展開の視点は、ちょっとしたカルチャー・ショ…

「陰謀のセオリー」

予告編が面白そうで、期待していたけどちょっと期待ハズレ。陰謀説を持つ男が主人公という設定が気に入ってました。このキャラクタでうまくストーリを作ればよかったのに、結局の所陰謀説は単なる添え物でした。残念。

「鍵 THE KEY」

池田敏春脚本、監督。川島なお美、柄本明、大沢樹生。谷崎潤一郎の文学の世界だけど、雰囲気が江戸川乱歩みたいな映画だった。あまり期待してなかったけど、予想通りの出気。エロティシズムという面では、新鮮さも面白さもなかった。

「CURE」

1997東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション。黒沢清が監督。もう「地獄の警備員」以来、まったく信用してない監督であるが、ちょっと面白そうなので観てしまった。主人公が役所広司、萩原聖人、うじきつよし、中川安奈。被害者の首を×に切り刻…

「187」-187 -

1997東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション。「ファンタンゴ」のケヴィン・レイノルズ監督。187は、カリフォルニア州の殺人罪に適用される刑法で、映画の中では「殺す」という警告のメッセージに使われる。主人公の教師ガーフィールドはN.Y.の…

「2days」- 2 Days In The Valley -

1997東京国際映画祭特別招待作品。1983年のオリビア・ニュートンジョンとジョン・トラボルタ主演の「セカンド・チャンス」の監督、ジョン・ハーツフェルド。この間に他の映画は撮っていたんだろうか(^^;)。彼も'81年にTV番組「Stoned」でエミー賞を受賞して…

「青春のつぶやき」- 美麗在唱歌 / Nurmur Of Youth -

1997東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション。監督は台湾の林正盛(リン・チェンシェン)。未見だけど「熱帯魚」にも出ている人で、監督よりも性格俳優っぽい(^^;)。主人公は台湾に住む二人の少女。台北のマンション住まいと、郊外の古い家住まい…

「ジプシーの贈り物」- Romanki Kris(Gypsy Lore) -

1997東京国際映画祭ヤング・シネマ・コンペティション。監督はベネ・ギョグオシーはハンガリー、ブダペスト生まれで、現在はミュンヘンで活動、これが最初の劇場用映画。北ハンガリーのジプシー居留地をおわれた老人ロベルが、頭の弱いが音楽は上手いタマス…

「ブラス!」- Brassed Off -

1997東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション。これは安心して期待出来る、ある程度面白い事は確実と思ってたけど、やっぱり面白かった。すでに来年の公開は決まっているはず。監督、脚本はマーク・ハーマン。これが初めて観る作品。1993年の英…

「バルカン冒険旅行」- Balkanisateur -

1997東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション。なんでこんな映画がインターコンペに入ってくるの、と唖然としてしまった。つまらない(^^;)。ギリシャ人の二人が一儲けしようと、バルカン半島を越えて、西ヨーロッパ、スイスまでのロード・ムービ…

「ビヨンド・サイレンス」- Beyond Silence - ☆

1997東京国際映画祭インターナショナル・コンペティション。カローリーヌ・リンク監督。ドイツ映画。これは面白かった。今年観た映画の中ではベスト3には入ると思う。聾唖の両親の元に育った、クラリネットの音楽家の娘の話。今まで観た映画の中でも、これ…

「ア・リトル・ライフ・オペラ」-

一生一台戯 / A Little Life-Opera -1997東京国際映画祭シネマ・プリズム。香港の監督、「ジャスト・ライク・ウェザー/美国心」の方育平(アレン・フォン)。「ジャスト・ライク・ウェザー/美国心」は公開時に凄く評判がよかったのに、今だに未見。中国福建省…

「フレンチ・ドレッシング」

1997東京国際映画祭シネマ・プリズム。斎藤久志監督。PFFの「うしろあたま」、16mmの「はいかぶり姫物語」は名前は知っているけど、未見。この映画が初めて観る監督。よく知らないけど主人公の櫻田宗久は、結構有名なモデルらしい。彼目当てのファンが多かっ…

「河」

1997東京国際映画祭シネマ・プリズム。「青春神話」「愛情万歳」の台湾の監督、蔡明亮(ツァイ・ミンリャン)。「青春神話」は坦々とした展開でありながら力強さを感じ、若者の葛藤がうまく出ていたと思うのだけど…。この「河」も手法的に似ていて、何でもない…

「フェイク」- Donnie Brasco -

ジョニー・デップ、アル・パチーノが主演。マフィアにもぐり込んだ捜査官とターゲットとしたギャングの男との間に友情が芽生える。このネタ自体は色々な所で使われているけど、この映画は面白かった。よりこの映画を深くしているのは一つは実話をベースにし…

「沈黙の断崖」 - Fire Down Below -

「グリマーマン」に続く、セガール新作。「沈黙の要塞」では監督までやったスティーブン・セガールだけど、今度は制作、出演のみ。まあ、「沈黙の要塞」の出来をみれば監督は止めておいた方が無難だけど、「沈黙の断崖」よりも多少マシな程度かもしれない。…

「イベント・ホライゾン」☆ - Event Horizon -

「ショッピング」のポール・アンダーソンが監督。というだけで、普通のSF映画で終わらない事は予想出来るけど…。個人的にはかなり面白かったです。でも、万人受けするとは思えない(^^;)。2047年、海王星付近から7年前に消息をたったイベント・ホライゾン号…