電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

1986-01-01から1年間の記事一覧

「タンポポ」

78点。伊丹十三監督脚本。これほど、料理をおいしそうに撮った映画は始めて。味覚を刺激する、貴重な映画。ストーリは、いい西部劇を思い出せて楽しい。

「市民ケーン」

89点。オーソン・ウェルズ監督。最後のあたりまで、ちょっと面白い映画として観ていた。しかし、ラストのワン・カットの感動で、いままでのすべてのシーンが一瞬のうちに目の前に再現されたような気がした。これほどショックをうけた映画はいまだにない。

「オズの魔法使い」

79点。夢の世界というイメージが、もっともあう映画として「不思議の国のアリス」とならんで大好き。知恵、勇気、優しさを手に入れるには…というところが、いきなり現実的になって面白い。

「エクスプロラーズ」

63点。作りが雑で、あらばかりが目立っていた。子供だましにもなっていないので、子供に夢を与えられる訳がない。

「XYZマーダーズ」

72点。テンポがよく、なかなか笑わせてくれるので気に入っている。B級映画の面白さ。オールナイトで観たが、いい意味で夜中があっているB級映画だと思う。

「暗殺の森」

65点。最初、時代背景がわからず、ストーリがよくつかめなくて、退屈した。ダンス・ホール、森の暗殺など、奇麗な部分部が印象にあるぐらい。観る前に、ベルトリッチだという心構えが必要な映画なのでは?

「8・1/2」

72点。部分的におもしろいところはあるが、全体的には退屈。エンディングは結構おもしろい。フェリーニが好き勝手に作った映画という事で納得している。

「ナイン・ハーフ」

53点。下半身だけで生きている人々の話。生理的に嫌悪感を感じてしまう。ミッキー・ロークを観るたびに、このいやらしさを思い出してしまうので、彼にとってのはマイナスの作品だったのでは?

「天使のたまご」

55(LD)点。押井守監督脚本原案。絵は奇麗で丁寧にかかれていて興味深い。だだ、ストーリはひとりよがりな部分が多いので、半分ぐらいの時間だったらもっと楽しく観れただろう。後半は、あきてしまったので退屈だった。

「デモンズ」

62点。映画館にとじこめられた劇中の観客を、スクリーンを通して観客が観るという、ダブルイメージから恐怖感を盛り上げようという趣向は面白い。ただし、それを成功させるならもっと丁寧につくるべきだった。単に白けてしまうだけの趣向に終っている。

「第五惑星」

60点。どうもエイリアンが生理的に好きになれなかった。だから、全然感情移入できなかったので、つまらなかった。原作は後から読んだが、そちらの方が納得できた。

「ジャズ大名」

70点。岡本喜八監督脚本、筒井康隆原作。作り自体は、それほど丁寧ではないが面白い。音楽の本質的な楽しみ方を教えてくれる映画だと思う。こういう、ジャズは大好き。

「気狂いピエロ」

75点。アンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンド主演、ジャン=リュック・ゴダール監督。内容はラスト以外は退屈。それでも、色と構図が気に入っているぶん評価があがる。これも、静止した画面ばかりが奇麗だったから、映画としての評価ではないかもし…

「大霊界」

40点。話のタネに観に行ったが、後悔してしまった。前半はまだ笑えたが、後半は退屈なだけ。昔の「ノストラダムスの大予言」を思い出させる、セコイ作りだった。

「1999年の夏休み」

77点。金子修介監督、萩尾望都原作「トーマの心臓」。いい意味での少女マンガ的世界観が、非常にうまく映画になっていて楽しめる。ただ、愛情を中核とすることにより、哲学的広がりがでなかったのが残念。ラストも予測通りだったので、もうひとひねり欲しか…

「友達」

77点。残念ながら原作は読んでいない。ラストはもっと意外性があってもいいと思うが、ほぼ満足。近未来的、無気質な映像感覚が、ストーリに非常にうまくあっていたと思う。尺八の音楽のみ違和感を感じたけど。

「ロミュアルドとジュリエット」

78点。女性の監督らしい優しい視点の映画。障害ある恋愛や差別問題の見つめかた優しくて、とてもここちよかった。セリフなしの一連の映像で、事件の後始末をすべてやってしまう、ウマサも持っている。事件と恋愛劇、この時間的な比率がほぼ1:1なのだけど…

「美しすぎて」

80点。構成が複雑で、判りにくいという話を聞くけど、そんな事はなかった。“ストーリが時間線に沿って進む”という固定観念自体を捨ててみれば、とっても簡単な映画のはず。観客の頭の中には、不倫というストーリがすでに存在しているのだから。それを乗り越…