電子竹林:Blog

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「死国」

長崎俊一監督、板東眞砂子原作、万田邦実原作、篠田昇撮影、夏川結衣筒井道隆栗山千明長崎俊一は「ロックよ、静かに流れよ」「妖女の時代」と昔は好きなのが多かったけど、最近はさっぱり冴えないのばかり。今回は原作もいいし、期待していたのだけど…、なんとも安っぽいし、のめり込ませる力がストーリにない。原作「死国」の田舎の排他的な雰囲気や、日本古来の呪術的な世界観がうまく出てないのがダメだし、愛憎関係がうまく描けていない。それ以上に今回、嫌いだったのが篠田昇の撮影。無意味な手持ちばかり多くて、画面が不安定で観ていて疲れてしょうがない。この人、古くは相米の「ラブホテル」、最近では岩井俊二の「Undo」「LoveLetter」「スワロウテイル」なんかを撮っていて嫌いじゃないんだけど、今回は駄目だった。死者の谷の石柱のセットがあまりの安っぽくて、今の日本映画界を象徴しているようで、寂しかった。