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「アナスタシア・シンドローム」- The Anastasia Syndrome and Other Stories - Mary H.Clark

ミアリ・H・クラーク 新潮文庫。五編の中編集。「アナスタシア・シンドローム」のアナスタシアは帝政ロシア最後の皇帝ニコライ二世の第四皇女。最近でも、アニメ「アナスタシア」が作られているているぐらい有名。しかし、このアナスタシア・シンドロームは、架空の薬物による人格転位、多重人格の意味。クラークには珍しく超自然的な雰囲気が強い。この作品が全体に半分ぐらいで、短い長篇分はある。「同窓会の恐怖」はタイトル通り、同窓会を舞台にしたストーカーもの。「ラッキー・デー」は、解説にもあるようにオー・ヘンリーを連想させる皮肉なストーリ。「二重の鏡像」は双児を扱った、これまた超自然的な設定。「迷子の天使」は迷子の子供の、ほのぼのとした物語。全体にはイマイチ。他の長篇の方が好き。