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「なぜかれらは天才的能力を示すのか サヴァン症候群の驚異」

Extraordinary People:Understanding "Idiot Savants"。-Darold A. Treffert ダロルド.A.トレッファート高橋健次訳映画「レンンマン」や「火星の人類学者」にも登場した精神障害/知的障害者が高度な天才的能力を示すサヴァン症候群、徹底的にそのサヴァン症候群だけを解説している。特殊な内容ではあるが、一般向けの本なので分かりやすい。著者は精神科の臨床医過去100年の文献を参照、研究している。カレンダー計算、電光石火の計算能力、音楽の完全な再生、猫のラファエロなどの実例を示す。著者はあくまでも科学的で、「知能が低いからこそ、サヴァンになる」と神秘性を否定し、冷徹にも感じさせる。またサヴァンの感情は平坦であり、創造力は乏しいとしている。サヴァンの80%は男性であること、障害を除去することにより突然能力が失われること、才能を延ばそうとすると能力が失われることなど興味深い。