電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「なごり雪」

大林宣彦監督、伊勢正三原案(?)、三浦友和細山田隆人ベンガル反田孝幸須藤温子宝生舞、日高真弓、田中幸太朗、斎藤梨沙、津島恵子左時枝。一人、東京で五十歳を迎えようとする梶村祐作(三浦友和)の元に、28年ぶりに故郷の友人水田健一郎(ベンガル)からの電話、妻の雪子が死にかけているとの連絡。祐作は大分県臼杵(うすき)市へ向い、健一郎と共に過去を見つめ直していく…。現在と過去との平行した展開は上手いし、少年時代のセリフ回しのヘンさを除けば、大林宣彦のノスタルジックな語り方も成功している。自殺未遂事件(?)の謎での引っ張り方もある程度成功しているが、ちょっとテンポの悪さはある。「なごり雪」は確かに伊勢正三の名曲ではあるが、どうしてもイルカの方を連想してしまう。今の伊勢正三の声では若々しさがないし。映画の中で何度、イルカの声だったら良かったのにと思った事か。また、セリフの中で歌詞から持って来た言葉を多くも使っているが、どれも違和感が強く無理やりな感じがした。最期に残る違和感は、やはり「なごり雪」は東京から旅立つ歌なんじゃないかって事か。