電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

*[Movie]1990年以前の映画感想

島国根性」 劇場前に渡辺文樹監督がいた。映画以前にこの人の映画に対する情熱、パワーに圧倒されてしまう。今の日本映画に欠けているものだろう。ネタは新鮮。技術的には、ハッとするウマイところと、下手なところが極端。ビデオカメラを買ったばかりの素人みたいなズームの連発だけは止めて欲しい。観ていて、とても疲れるから。

「続・赤毛のアン」 65点、退屈だった。前作はそれなりに原作のアンのイメージを出していて、よかった。アンは年をとっても、少女のきらめきがあって欲しい。すべてが、前作の蛇足に思えてならない。

「アビス」 82点、海底の「2001年」という賛辞は、外れていないと思う。久しぶりに感動できるSF映画に出会った。なによりも、主人公2人の、ちょっとひねくれた愛情がうまく描けている。とくに、仮死状態のシーンはこの映画を忘れられないものにしている。海中の映像もすばらしい。ただ、ラストはちょっとやりすぎという感じ。

「アラクノフォビア」 70点、コメディなんだか、ほんとにパニックものなんだか、中途半端。それなりには、出来ていて退屈はしないけど、どっちも成功しているとは言えない。

「ウォンテッド・Mrクリスマス」 71点、サンタクロースだと思った侵入者が殺人鬼。それに一人対決する少年という設定が、実に面白く展開していって、飽きさせない。しかし冷静に考えてみると、子供にとってはあまりにも夢がない話なのかな。

「ゴッド・ギャンブラー」 55点、観れるのは最初と最後だけ。中間の中だるみは、観ているのがいやになるほど退屈だった。辛うじてジョイ・ウォンがいたから観れたようなもの。最初と最後が面白いだけに残念。

エクソシスト3」 70点、これはエクソシストと言いながら、最後にちょっと悪魔ばらいがあるだけ。でも、恐怖映画としては成功している。殺人シーンは全然なくても、すごく恐かった。特にあの巨大なハサミは夢に出てきそう。病院の廊下のシーンは、今でも目に焼き付いている。

「アイリスへの手紙」 70点、これはエクソシストと言いながら、最後にちょっと悪魔ばらいがあるだけ。でも、恐怖映画としては成功している。殺人シーンは全然なくても、すごく恐かった。特にあの巨大なハサミは夢に出てきそう。病院の廊下のシーンは、今でも目に焼き付いている。

アムステルダム無情」 74点、ディック・マース監督。殺人鬼の出没するアムステルダムの運河の使い方が面白い。観光風景的な映像とショッキングな殺人の連続が、緊張感を生みだし、テンポを与えている。

「7月4日に生まれて」 68点、社会からの反発を受けるベトナム帰還兵の視点はよい。実話としての重みもある。しかし、どうも偽善的で鼻に付く映画になっていて、好きではない。

「ショッカー」 76点、数本ぶんのホラー映画のネタを詰め込んだ感じ。軽快なスピードとブラックなジョークは、恐いというよりは、次はどうなるかワクワクさせてくれる。監督クレイブンがフレディに続いて作った、この殺人鬼ピンカーというキャラクタはすごくいい。是非とも続編を作って欲しい。

「ステラ」 70点、未婚の母として娘を育て上げた主役をベット・ミドラーが演じているが、彼女の過剰な演技にどうものれなかった。親子の問題としては、結構面白かったのだけど。

「チキンハート・ブルース」 69点、自然食志向の殺し屋っていうキャラクタがよい。泥棒と娼婦も個性的でいいのだけど、肝心のストーリが、それぞれの個性を生かすように展開していかないので、面白くない。

「菊豆」 75点、登場人物、それぞれの狂気が恐ろしい。特に主演コン・リーは美人だけに、鬼気迫る恐さがあった。「赤いコーリャン」同様、色使いはすばらしいの一言。

「チョコレート・ウォー」 72点、地味な映画ではあるが、上流のハイスクールの歪みがうまく出ていたのがいい。クライマックスは派手な分、工夫が足りないように感じる。

「つながれたヒバリ」 77点、スクラップ再処理工場の人々の生活はユーモラスであるが、同時にその裏に隠された社会主義態勢の批判は辛辣である。チェコでの20年上映禁止は、逆に監督の目の確かさを証明している。こういう隠れた名画をどんどん公開して欲しいものだ。

「デイズ・オブ・サンダー」 70点、トム・クルーズを派手なストック・カーレースのドライバーに仕立て上げ、ラブ・ストーリをくわえて、粋なBGMを振りまく。これでヒット作が一丁上がりのはずだが…、面白くなかった。恋愛物語としても、カー・レース映画としても中途半端でつまらない。退屈はしないが。

「敵、ある愛の物語」 70点、戦後の混乱の中、三重婚をしてしまう主人公の情けなさが、どうも納得できなかった。主演の3女優はそれぞれ個性的で面白かったけど。

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART 3」 73点、これは、ドクのラブ・ストーリだ。それはとても旨く出来ている。逆にマーティーを巡るストーリは疎かになっていて面白くはない。でも、テンポよく楽しめる。あちらこちらに散りばめられたギャクは、いつもながら楽しい。

「今を生きる」 73点、教師役のロビン・ウィリアムスがすごくよかった。ラストは感動的ではあるが、ここで終りなの、という呆気なさがあった。

「オールウェイズ」 75点、愛していると言葉に出せないで死んで行った幽霊の主人公。死んでも純情なところがいい。ラストがいかにも現実的なのがアメリカっぽく、また、物悲しくもある。オードリー・ヘップバーンは、年をとっても、やっぱりチャーミング。

カジュアリティーズ」 69点、そこそこに面白いのだけど、なんでいまさらベトナムなんだろう?後半はサスペンス仕立てにしているが、返ってマイケル・J・フォックスの正義の主張を弱くしていると思う。

「風の輝く朝に」 72点、日本軍に相対する、チョウ・ユンファがすごくかっこよかった。イップ・トンもよい。愛情と友情の葛藤の中でチョウ・ユンファは、かっこ良すぎるほどにかっこよい。

「カナディアン・エクスプレス」 75点、ほどんどが列車の中で進行する。列車という狭い空間を逆に利用して、うまくサスペンスを作り上げている。ラストは列車の対決としては使い古されているパターンなので、もう一工夫欲しいところだった。

「バイパイア・キッス」 61点、ニコラス・ケイジのオーバーな演技に辟易してしまった。ストーリも、ラストまで納得できない展開だったが…。

「クラス・オブ・1999」 70点、トム・クルーズを派手なストック・カーレースのドライバーに仕立て上げ、ラブ・ストーリをくわえて、粋なBGMを振りまく。これでヒット作が一丁上がりのはずだが…、面白くなかった。恋愛物語としても、カー・レース映画としても中途半端でつまらない。退屈はしないが。

グレムリン2」 69点、フィービー・ゲーツのクラッシックなオーバー演技が嫌い。ドタバタとしては、ちょっと感覚が古いし、全体にメリハリがない。

ゴーストバスターズ2」

70点、やはり1の面白さはマシュマロ・マンだけだったんだ、と実感。今回の、マシュマロ・マンに代るモノのつまらなさはあまりにヒドイ。これでも、アメリカでは場内大受けかもしれないが。

「ゴースト/ニューヨークの幻」 76点、スウェイジはいままでは嫌いだったけど、この映画ではすごくいいと思った。デミ・ムーアのウルウルした目がすごくかわいい。ラブ・ストーリとサスペンスの混ぜかたもうまい。最初の幽霊になって現れるシーンは、とても印象に残った。

「チェイニーズ・ゴースト・ストーリ2」 72点、アクションは派手になっていて退屈はしない。しかし、1のラブストーリには遠く及ばず、話の深さを感じられない。唯一の拾いものと言えば、ジャッキー・チュンのキャラクターかな?今後、期待したい人だ。

「コックと泥棒、その妻と愛人」 77点、美術が凝りに凝っていて美しい。音楽もすばらしい。映像にすごくパワーがあって、引き付けられる。それだけにラストはちょっとチンケに感じる。しかし、あの腐敗のシーンはもの凄かった…。

「最後の貴族」 62点、これと言った欠点は見つからないけど、とっても退屈。まるで平坦な作りになっている。各国のロケも、まったく土地の特色を活かされていない。

「サファリ殺人事件 」 71点、クリスティの「そして誰もいなくなった」が原作であるが、場所をサファリに持っていっている。この改変をもっとうまく使えば、もっと面白くなったと思うので残念。

サラフィナの声」 77点、子供たちの話より、思い入れのある、ミリアム・マケバが出ていただけで感動してしまった。

「サンタ・サングレ」 75点、全編、印象的な映像、不気味な雰囲気ですごくのめり込める。しかし、説明的なラストは、一気に気分を壊し、興ざめさせてくれた。

「われに撃つ用意あり」 76点、全共闘世代の総括的映画という見方をすると、人それぞれの主張や生き方がうまく割り当てられていて面白い。充分に人が描けているので、アクション部分が生きている。桃井かおり原田芳雄ともにすばらしい熱演。舞台である、新宿をすごくうまく使っている。

「パチンコ物語」 65点、パチンコ業界の舞台裏が見れるところが、ちょっと面白かった。でも、全体には退屈。親子の対立など、結構まともな映画ではあるのだけど。

「遥かなる甲子園」 71点、最初のシーン、耳が聞こえない主人公が甲子園の歓声を<感じる>シーンが、この映画をうまく表現している。聴覚障害者にヘンに同情的に描いていないのがよい。小川真由美の母親役、三浦友和の先生はギリギリの線で、臭くならない演技がよい。

オーロラの下で」 60点、犬ゾリのリーダ、オオカミ犬と役所広司の友情がテーマなのだろうが、それを表現するべきドラマが単調で、退屈だった。

「山田ババアに花束を」 65点、頑張ってはいるけど、どうと言うことない映画になっている。入れ替わりものといえば「転校生」などあるけど、この映画ではそのシチュエーションを活かし切ってない。また、混乱から理解への過程が納得出来るようになってない。山田邦子西田ひかる、ともにちょっと役不足

「麿子(MAROKO)」 60点、退屈だった。ひたすら退屈だった。押井守だと思って期待していたのだけど、私には苦痛の時間だった。

「夢の祭」 71点、三味線のスポ根モノ、という感じはうまく行っている。ラスト、三味線にのめり込んですべてを捨てる、っていう事を納得させるほどの威力はなかった。見せ場の対決が、ちょっと弱いのは残念。

「夢」 70点、いいモノもある、悪いモノもある。いいモノもすばらしくと言うほどではない。ところどころ、黒澤の迫力ある映像が観られるけど、全体としてはどうって事ない映画に仕上がっている。ヒューマニズムの表現としては、直接的過ぎるのが多い。

丹波哲郎大霊界2/死んだらおどろいた」 50点、なんというか、霊界宣伝映画というかプロモーション・ビデオだとしかいいようがない。ま、それならそれで面白く作らなきゃいけないが、単に退屈なだけ。こんなに退屈なアノ世なら、誰も行きたいと思わない。

タスマニア物語」 68点、田中邦衛のシャイさがうまく、親子の問題をそれなりに表現していたと思う。しかし、全体のストーリはメリハリはないし、納得出来るものになっていないので、退屈。タスマニアの風景だけは観る価値がある。ただ、幻のタスマニア・タイガーは、ヘタに出さないほうが無難だった。

「ふたり」 80点、中嶋朋子のふわりとした感じが、とても新鮮で面白かった。大林のヘタな特殊効果は余計だと思う。後半の家族崩壊ドラマは余計にも感じるが、ラストに向けてよくまとまっていた。大林の中で一番好きな映画。

「ボクが病気になった理由」 72点、オムニバス形式、それぞれがそれなりによかった。中では大森一樹が一番の期待だったけど、医学部出身が逆にわざわいしたのか、一番つまらなかった。

「ほしをつぐもの」 77点、子役が実に伸び伸びと、それでいてしっかりした演技をしている。それに対するビートたけしも、実にいい。終戦直前、疎開した子供の思いがうまく出ている。細野晴臣の音楽も合っていた。

「香港パラダイス」 65点、ドタバタ・コメディとしては失敗している。斎藤由貴がうまく生かされていない。ストーリはそれなりだが、全体にメリハリがなく印象が散漫。観るべきところは、ミニスカートの斎藤由貴の足ぐらいか?

「病院へ行こう」 72点、コメディとしては、まあまあの出来か?ただ、薬師丸ひろ子が、とても良かった。やっと少女時代から吹っ切れたという感じで、今後は期待できる。

「びんばりハイスクール」 52点、主人公の藤瀬かおりに魅力がないのが致命的。その周りや、敵役の方がずっと個性的で魅力があるの。ストーリは「スケバン刑事」のパターンでありきたり。

「バカヤロー3」 67点、もはやこのシリーズに期待はまるでない。今回は山川直人、黒田秀樹などを起用していて、ちょっといい部分もあるが、やはり観客がクスリーン上の怒りに共感できるような映画にはなっていない。

「つぐみ」 77点、監督市川準の映画の中で、初めて気に入った映画。牧瀬里穂が演じるつぐみが、非常にイメージに合っていてよかった。つぐみの過激さを牧瀬がうまく出していた。それに対する中嶋朋子の気の弱さもいい。唯一、真田広之だけが、雰囲気にあっていなかった。

「鉄拳」 68点、「どついたるねん」は好きだったのだけど…。これは、ラストの決闘が全然納得出来なかった。アクションとしての価値もほとんどない。菅原文太は、よさがまるでなかった。

「てなもんやコネクション」 60点、前半、香港から日本への来た時のギャップは結構面白い。しかし後半、香港へ舞台が移ってからはまるで面白くない。ちゃんと作れてない。前半のアイデアだけで進めたほうがずっと面白かったのでは?ドキュメンタリー風の映像を随所にいれているが、退屈なだけだった。

「東京上空いらっしゃいませ」 79点、牧瀬里穂の出現は大変なコトだ。この映画は、しばらくお倉入りだったらしいが、信じられない。牧瀬の伸び伸びとした明るさもいいが、自分の家に帰るシーンのしんみりした感じもすばらしい。相米慎二の演出は冴えているが、ただ、部分的に使っている、ヘンに特殊効果などは不用だ。

「少年時代」 80点、終戦直前の少年たちの世界。その人間関係の複雑さを非常に巧みに描き出していてすばらしい。特に委員長との関係の微妙な表現がよい。ラストの陽水の唄と、映像のシンクロの仕方はすばらしかった。原作、漫画化、そして映画化と、それぞれに良さがある。

「白い手」 70点、転校生との友情という使い古された話ではあるが、よくまとまっていて面白い。それぞれのエピソードが年代的に近いために、懐かしい。椎名誠の原作も好き。南野陽子はめずらしくマトモな演技だった。

「スキ!」 60点、まずは島崎和歌子のノリについて行けなかった。大江千里が島崎に引かれるようになる過程が全然納得できない。「君は僕を好きになる」といい、この監督の映画はいつも納得できないのは何故だろう…。

「式部物語」 70点、全体的にテーマが不明確で、話に乗っていけなかった。奥田の演技がやりすぎで、鼻についてしまった。逆に女性陣の、原田美枝子香川京子岸恵子はそれぞれに違う嫌らしさが出ていて、いい効果だったが。