ジョン・シーリー ブラウン、ポール・ドゥグッド、宮本喜一訳。著者はPARCの技術者。邦題はちょっと大げさ、原題の"情報による社会生活"の方が素直。IT万能を批判し、IT化でおろそかになっている人間関係、会話、意欲、コミュニティー、組織が依然としてビジネスの中核である事を解いている。ポジティブに受け取れば、足りないものを示し未来のIT化の進む道を示しているとも言える。安直なナレッジマネジメントも批判しているけど。デジタル礼賛のネグロポンテの楽観主義的をさりげなく批判しているのも面白い。「インターネットはからっぽの洞窟」ほど、ヒステリックでもなく、冷静な視点。でも、まとまりには欠ける。