鶴橋康夫監督脚本、黒川博行原作「後妻業」。小夜子(大竹しのぶ)は柏木(豊川悦司)が経営する高齢者向け結婚相談所のエース。小夜子は婚活パーティで知り合った中瀬耕造(津川雅彦)の後妻となるが、程なく耕造は脳梗塞で倒れる。耕造の娘の中瀬朋美(尾野真千子)は小夜子から公式証書遺言状を見せられ疑念を抱き、探偵の本多(永瀬正敏)により小夜子の身辺を調査するが…。伊丹十三的な知らない世界を覗きこむ面白さがある。クライムものと言えばそうなんだけど、そこをコメディ色入れて軽い味付けにしているのがいい。登場人物はみんな善悪に分けられず、なんかどっかに良いとこ悪いところがあるのもバランス的には上手い。全体には大竹しのぶのキャラをうまく使った一人舞台とも言える。大竹しのぶは年を取ったとはいえ「男女7人夏物語」から小悪魔なイメージ変わらないなあ。
