電子竹林:Blog

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「ヒンターラント」-Hinterland-

ステファン・ルツォビツキー監督。第1次世界大戦終結から2年後、ロシアでの捕虜収容所生活から戻った元刑事ペルク(ムラタン・ムスル)と戦友たち。ペルクは家に戻るが家族の姿はすでにない。元戦友の猟奇的殺人が起き、刑事セヴェリン(マックス・フォン・デル・グローベン)はペルクを容疑者とするが、女性で検視官となったケルナー博士(リブ・リサ・フリース)はペルクの捜査に協力する。またセヴェリンも戦地で行方不明の兄を探していたが…。予告編でも印象的な映像、傾いた水平線、歪んだパース、暗く沈んだトーンの画面が物語の時代に合っていて効果的。陰鬱とした気分が最後まで続くので、スカっとした映画が好みの人には向かないだろうが。第一次大戦後2年のオーストリアという舞台、ロシア捕虜収容所からの帰還兵の元刑事、この設定がとにかくイイ。かなり好みな映画。2021年のロカルノ観客賞からやっと公開。

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