電子竹林:Blog

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「家族の中の心の病」-よい子たちの過食と拒食

斎藤学 講談社+α文庫。「生きるのが怖い少女たち」(光文社カッパ・サイエンス)の文庫本版。摂食障害に関する論文を一般向けに書き直したもので、内容は詳しい割には判りやすい。内容的にも共依存やアルコール依存と通じるものがあるので参考になる。中に摂食障害の蔓延は、米国社会の痩身信仰と健康ノイローゼに源流がある(p109)と断言しているのは印象的だった。あと、過食ビジン後の嘔吐の直後ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)とコンチゾール(副腎皮質ホルモン)が増量する事から、ランニング・ハイなどと同じ脳内麻薬物質との関連を指摘しているの面白い。自己誘発性嘔吐は、オピオイズ(体内アヘン様物質群)を介した嗜癖と考えている。