電子竹林:Blog

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「D坂の殺人事件」☆

実相寺昭雄監督、真田広之嶋田久作三輪ひとみ岸辺一徳。'94年の「江戸川乱歩劇場屋根の裏の散歩者」に続いて、実相寺が監督、嶋田久作明智小五郎探偵の二作目。贋作者の真田広之、古本屋の女将、古本屋の従業員、誰も彼も団子坂の住民はアヤシイのばかり。それを上回って、明智小五郎探偵もアヤシイ雰囲気。その登場のシーンの部屋の描写など印象的。これらの役者をまとめる実相寺の映像が素晴らしい。一灯ライティングを多用する印象的な陰影で、日本家屋のイメージを作り上げている。ストーリ自体は、原作のイメージからは随分と飛躍しているが、実相寺の映画としては満足。ちなみに、「江戸川乱歩劇場」はバンダイビジュアルにより、「屋根裏の散歩者」、「押繪と旅する男」(川島透監督)と作られた。今回の「D坂の殺人事件」は東京テアトルの制作となり、実相寺、嶋田コンビであるが正確には同じシリーズでは無いらしい。「帝都物語」で加藤を演ずる嶋田久作を観ると、随分と人間離れしていたなあと思う(^^;)。