電子竹林:Blog

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「ミスター・マーダー」上 -Mr. Murder -

ディーン・クーンツ、文春文庫。クーンツの新作。後書きには'93「心の昏き川」'96「インテンシティ」の頃とは違って、クーンツは変わった、とある。この作品では登場人物として小説家を使い、自分自身のメタフィクションとする、今までにない挑戦を果たし、以前の底の浅かった人物像から、より深い小説家としての進歩であると。しかし、それは贔屓目じゃないだろうか?これも解説に書かれているけど、二人の心のシンクロナイズは「ハイダウェイ」そっくりだし、片割れという発想はキングの「ダーク・ハーフ」を連想させる。その他、さまざまなパクリが思い出される。まあ、それはともかく、ストーリとしてはそこそこは楽しめた。でも、クーンツはもっと面白い作家だと思っているけど。次回作にはもっと期待。