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「陋巷にあり」1 儒の巻

酒見堅一 新潮文庫。酒見堅一は1989年のデビュー作「後宮小説」以来読んでないから9年ぶり。この第1巻は六年前の1992年11月に刊行されていたけど、内容はまるで知らなかった。1992年に「墨攻」「陋巷にあり」1儒の巻で中島淳記念賞受賞。主人公は孔子の最愛の弟子、陋巷に住む顔回孔子時代を背景に、政敵との「帝都物語」っぽい呪術合戦ありとなかなか面白い。礼の発生の理由など判るのも、勉強になる。ほとんどエッセイと化している後書きもなかなか読ませる(^^)。ここで、諸星大二郎の「孔子暗黒伝」について述べているけど、やはりこの人も諸星に影響されていたのかとちょっと嬉しくなった。このシリーズの装丁は諸星大二郎がやっている。