ジェイ・R・ボナンジンガ 、福武文庫モダン・ホラー。導入部から抜群の面白さ。黒人のルーカス、相棒の女性ソフィーが運転する巨大トラック「ブラック・マライア」。二人は「呪いで車が停められない」という男メルヴィルからの無線をキャッチする事から始まるホラー。メルヴィルを救うべく行動する二人にも呪いが待ち受けている。米国の州間道路、巨大トラック、無線を使った交信など、特異な場と小道具を使いながらスピード感と緊迫感のあるドラマ展開になっている。ルーカスとソフィーの関係や、メキシコ人の少年のエンジェルの描き方など、弱者に対する愛情に溢れていていい。