電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「添乗員騒動記」

岡崎大五 旅行人。「添乗員奮戦記」より前、岡崎大五の処女作だけあって、ちょっと固いし、内容にも乏しい。それでも、搭乗員の経験から出てくる話はどれも面白い。フィクションともノンフィクションとも書いてないけど、経験をベースにした小説という所か。南ア最大の黒人慰留地スラムのソウェト(映画「サラフィナの声」でも有名)、高山病に苦しむ南米4日間を15日で周る地獄の日程、ザ・プラザで全員のパスポートを盗まれるニューヨーク、夜這いをかけるブータン、本物の砂漠を見るためのモロッコの旅などなど。搭乗員は、本当にこんなに客の事を考えてくれているのだろうか、と怪しい気もするけれど、ホノボノとする所もあって面白い。部長から搭乗員への次の言葉が凄い…「今年の夏は、例年になく旅先でお亡くなりになる方が多いので、みなさん十分注意して下さい」