電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

2000-09-02から1日間の記事一覧

「ハサミ男」

殊能将之 講談社。第13回メフィスト賞受賞作。連続美少女殺人事件、死体の喉に突きたてられたハサミから「ハサミ男」と名づけられた連続殺人鬼。ホンモノのハサミ男が、自分の犯行を真似た殺人の真犯人を探す…自殺願望、殺人願望、多重人格、連続殺人、プロ…

「白夜行」

東野圭吾 集英社。「小説すばる」に1997/1から1999/1まで隔月で連載されたもの。建築中のビルの中で殺された質屋の桐原洋介の死、その息子の亮司。西本文代のガス事故よる死、その娘の美女の雪穂。この二人を軸にした、20年に渡る物語。自分の人生を「白夜の…

「パナマの仕立て屋」- The Tailor of Panama - John Le Carre。

ジョン・ル・カレ田口俊樹訳集英社今世紀末に米から返還されるパナマ運河の利権をめぐるスパイもの。主人公は英国仕込みの高級服仕立屋ペンデル、英国情報部員に掴まれた過去の秘密から、スパイの手先となる…。しかし、どうも翻訳が肌に合わなくて物語に乗れ…

「盤上の敵」

北村薫 講談社。小説現代増刊「メフィスト」98/5,98/10,98/12,99/5,99/9に連載。結構短い小説だし、これを連載で読むとかったるいかも。主人公はTV番組制作会社のディレクター末永純一(白のキング)、その妻の友貴子(白のクィーン)、この二人の視点で物語は進…

「三人の名探偵のための事件」- Case for Three Detectives - Leo Bruce。

レオ・ブルース 小林晋訳 新樹社サーストン家のハウス・パーティー、探偵小説談義で盛り上がる中、女主人が喉を掻き切られるという完全密室殺人事件が起きる…。という純粋推理小説ものの出だしだけど、展開はまるで違う。翌朝、貴族探偵ロード・サイモン・プ…

「添乗員騒動記」

岡崎大五 旅行人。「添乗員奮戦記」より前、岡崎大五の処女作だけあって、ちょっと固いし、内容にも乏しい。それでも、搭乗員の経験から出てくる話はどれも面白い。フィクションともノンフィクションとも書いてないけど、経験をベースにした小説という所か。…

「平気で人を騙す人たち」

とんでも「サギ師」研究会編 双葉文庫。国内古今東西の詐欺事件を三面記事的に掘り下げて、騙す人(詐欺師)の手口、逆に騙される人(被害者)の心理的なスキ、弱さについても語る。有名な結婚詐欺師、エリザベス女王、カメハメハ大王の親戚を語る金髪のサギ師プ…

「アジア赤貧旅行」

下川祐治 徳間文庫。1991年刊行「海外路上観察学」の改題。「12万円で世界を歩く」は面白かった。どうも下川祐治は、情緒的な面よりは技術的な面で面白さを感じる。入国出国の技術、闇両替の技術、治安と危険に対処する心構えなど。治安についての話で、中国…

「人はなぜだまされるのか-非科学を科学する」

安齋育郎 朝日文庫。同名の朝日新聞社刊のものの加筆、再編成。朝日新聞大阪本社版連載「安齋育郎が斬る幻視の世界」など、元は著者が色々な新聞、雑誌に発表したエッセイを再構成したもの。読者からの質問に答えたりするものも多い。迷信、オカルト、霊感商…

「人間この信じやすきもの-迷信・誤信はどうして生まれるのか」☆- How We Know What Isn’t So - The Fallibility of Human Resason。in Everyday LifeThomas GilovichT・

ギロビッチ 守一雄・守秀子訳面白かった。似非科学ものは多く読んでいるが、ほとんどは、その例を挙げて分析していくもの。言わば帰納法的な物が多いが、この本は反対に演繹法的な内容。目次から、その内容を抜き出すと次の通り。第I部 認知的要因…ランダム…

「ストロボ」

真保裕一 新潮社。真保裕一でもミステリ、サスペンス色はほとんど無い。写真家、喜多川の人生の色々な時点での物語。50代、病床の女性を撮る「遺影」。駆け出しの時代の師匠との関係、恐喝の「ストロボ」。女流写真家と愛を交わす「暗室」。病気の20才を取る…

「烈風」- Second Wind - Dick Francis。

ディック・フランシス 菊池光訳 早川文庫主人公は物理学者でBBCの気象予報士ペリイ。カリブ海のハリケーンの目を横断する飛行に挑むが、不時着、無人島に流れ着く。そこで見つけたのは金庫、牛の群れなど奇妙なもの…。主人公は気象予報士という、また新しい…