電子竹林:Blog

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「ファーストフードが世界を食いつくす」☆- Fast Food Nation - Eric Schlosser

エリック・シュローサー 楡井浩一訳 草思社音楽雑誌の「ローリング・ストーン」に掲載された二部構成の告発記事が元になっている。若者向けに書かれていたというのは大したもんだと思う。広範囲な調査と綿密な取材が感じられる。香料で作られた味のハンバーガーやフライドポテト、それが破壊するのは子供たちの健康と味覚だけではなく自営農民、労働者、国家の産業、つまりは経済、社会、文化さえも破壊する事が判る。食べ物の中身も恐ろしいが、その生産の現場の描写が恐ろしい。過酷で非人間的な分業システムで働く、低賃金の労働者。特に鎖かたびらを着て肉を切り分ける作業の描写が圧巻。「トキシン-毒素」、「死の病原体プリオン」とこの本で、三大アンチ・ファーストフード本としたい。