電子竹林:Blog

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「診断」- The Diagnosis - Alan Lightman

アラン・ライトマン 高瀬素子訳 早川書房主人公ビル・チャーマーズはボストンの情報処理会社のエリート社員。出勤都州の地下鉄車内で突然記憶喪失に、自分の名前も忘れ裸で携帯電話を抱いて横たわっているところを保護される。ビルの妻のメリッサはインターネットでバーチャル不倫を楽しみ、オンラインの大学講座を楽しむ息子のアレクサンダーは父親とメールでやり取りをする…。アラン・ライトマンは携帯電話が大嫌いだとか。この物語を単なる現代社会のアンチテーゼとして読んでしまうと、なんとも薄っぺらい感じはする。軽く読んでしまったのでなんか消化不良な感じ。物語の中でアレクサンダーが受けている講座が、なんとも面白い。死を達観したソクラテス、それを告発した英雄アニュトスは息子に憎まれ、その従僕ピュリアスはアニュトスを心から親愛する。この寓話に物語の真意があるのかと思ったが、なんか読み解く程の力が無かった。