フランソワ・ジラール監督、アレッサンドロ・バリッコ原作「絹」(未読)、坂本龍一音楽。1860年代フランス、戦地から戻ったエルヴェ(マイケル・ピット)は製糸業を営むヴァルダヴューの頼みで、蚕卵を入手するためアフリカへ向かう。やがてエレーヌ(キーラ・ナイトレイ)と結婚したエルヴェは、世界のはて、幕末の日本へ向かう事になる…。日加伊合作。「シティ」、「海の上のピアニスト」などで有名なイタリアの作家の原作。全体には欧米が持つ幻想としてのジャポニズムという感じ。ゆったりした展開でややノリが悪いが、最後になって分かる、全体を貫く愛の物語はなかなか上手いと思った。でも、印象に残るのは妙なジャポニズムだけど。作法が妙に正しいかと思うと、突然ヘンだったり、着付けが変だったり。ヒロインである芦名星は物語としてのポジションも不明確だが、少女の魅力というよりは娼婦の魅力みたい。中谷美紀は意外にマダムが似合う。
