電子竹林:Blog

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「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」- There Will Be Blood -

ポール・トーマス・アンダーソン監督脚本、アプトン・シンクレア原作「石油!」1927年。20世紀初頭、金採掘師のダニエル・プレインヴュー(ダニエル・デイ=ルイス)はゴールドラッシュが下火になり石油で一攫千金を夢見る。孤児を息子H.W(ディロン・フレイジャー)として連れ歩き土地を買い占めていくが、ある時ポールという男から情報でリトル・ボストンへ向かう…。出だしのストイックな描写からテンポが掴みにくい所があるが、これに慣れれば結構面白い。ハリウッドな娯楽作を期待するとがっかりするかも。主演男優賞、撮影賞を取っただけにアカデミー賞好みの映画で、観る人をちょっと選ぶ。やや冗長な所もあるが、見所のいくつかのシーンは緊張感があって素晴らしい。特に火事のシーンは傑作。主役ばっかり誉められているけど、イーライ神父役のポール・ダノもいいと思う「市民ケーン」+「ジャイアンツ」とは上手く言ったものだと思うが、そうコンパクトに理解するのも安直か。映画も悪くないが、この物語を1927年に書けるっていうのは凄い。

http://www.movies.co.jp/therewillbeblood/