阪本順治監督企画、延江浩原案。長野県大鹿村は300年間大鹿歌舞伎の伝統を続けてきた小さな村。村で鹿肉料理の食堂ディア・イーターを営む風祭善(原田芳雄)の元に、18年前に駆け落ちした善の妻・貴子(大楠道代)と能村治(岸部一徳)が戻ってくるが、貴子は認知症で駆け落ちの事もすでに忘れていた…。年寄り向けではあるけど微妙な笑いのツボや後半の感動のさせ方はなかなか上手い。個人的には「ツェゴイネルワイゼン」や「陽炎座」の大楠道代と原田芳雄が並んでいるだけで感慨深い。中盤から微妙に編集に不自然さを感じた。原田芳雄の体調で全テイク撮れていないのではないかと邪推したがどうなんだろうか。主演作が遺作になったのは役者として満足だろうけど、「奇跡」(id:zom-1:20110702#p1)でも映画の完成度、原田の演技ともなかなか良かったと思う。
