電子竹林:Blog

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「マリー・アントワネットに別れをつげて」- Les adieux à la reine -

ブノワ・ジャコー監督脚本、シャンタル・トマ原作「王妃に別れをつげて 」。フランス革命前夜のベルサイユ宮殿、朗読係のシドニー(レア・セドゥー)は王妃マリー・アントワネット(ダイアン・クルーガー)に心酔していた。1789年7月14日、バスティーユ牢獄が陥落、286名の処刑リストが出回るが、そこには王妃と王妃の愛するポリニャック夫人(ヴィルジニー・ルドワイヤン)の名前が載っていた…。原作はフェミナ賞受賞作、未読。わずか三日間の物語。フランス革命の進行を離れたベルサイユの中からの捉え方が素晴らしい。それぞれが恐怖に震えパニックとなり、あるいは現実逃避し、噂だけが伝聞されていく。このドキュメンタリーのような表現が巧み。何か正体が不明な想像を越える恐怖が迫ってくる時の人間像を、上手く表現している。主人公シドニーもいいが、新鮮な王妃像も見せてくれる。衣装、美術もゴージャス。

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