バルナバーシュ・トート監督。1948年ハンガリー、ホロコーストを生き延びながら家族を失った16歳の少女クララ(アビゲール・セーケ)は大叔母の家で暮らしていたが、学校にも馴染めずにいた。ある時クララは、同じホロコーストの犠牲者の医師アルド(カーロイ・ハイデュク)と出会い、慕っていくが…。ホロコーストの傷跡、共産党の台頭、ソ連の影響の微妙な時期のハンガリーを描く。間接的な表現で、地味な展開だが心には響く。かなり地味ではあるのだけど。1953年のスターリン死去まで描かれるが、1956年のハンガリー動乱前で、その予兆も感じられない時代。その辺の時代背景が分からないので細部まで理解できてないのかもしれない。当事者ハンガリー人には響くのだろうな。