電子竹林:Blog

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「羊飼いと風船」-気球 Balloon-

ペマツェテン監督。チベットの草原で暮らすタルギュ(ジンパ)と妻ドルカル(ソナム・ワンモ)、その子供たちと祖父の三世代家族。産児制限で次の子供を産めば罰金なのに避妊具は少ない。そんな頃、学校の休みで長男と一緒にドルカルの妹シャンチュ・ドルマ(ヤンシクツォ)が帰ってくるが…。全体にまとまりはないのだけど、詩的で文学作品のような味わい。チベット仏教、輪廻転生、葬儀、牧畜などの伝統的な文化の中で、産児制限、避妊、教育などの押し寄せる現代化とのはざまで揺れる心理が見え隠れするのが面白い。素材も視点も、今のチベットだから撮れるという内容。「気球」のタイトルで東京フィルメックスコンペティション部門最優秀作品賞を受賞。

http://www.bitters.co.jp/hitsujikai/