電子竹林:Blog

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「涙はふくな、凍るまで」

大沢在昌 朝日新聞社。監督萩庭貞明、主演萩原聖人で映画化された「走らにゃあかん、夜明けまで」の原作の続編。前作は未読。大阪でヤクザ相手に立ち回ったポテトッチップスを売るサラリーマン坂田勇吉が、今度は北海道の地で、ロシア・マフィア相手に立ち回る。さすがに、大沢在昌だけあって、それなりに読ませるところはあるけれど、「新宿鮫」などに比べてしまうと、力強さに欠ける部分も多い。それは主人公の力だけではなくて、文章の力でもある。映画の「走らにゃあかん、夜明けまで」では、題名とは違って、走るという事が活かされてなかったのが残念。この小説では、北海道の寒さという物がうまく活かされてなかった。よりリアリティを感じられなかったのは残念。