電子竹林:Blog

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「コブラの眼」 - The Cobra Event - Richard Preston。

リチャード・プレストン飛鳥新社「ホット・ゾーン」の著者リチャード・プレストンの初めてのノンフィクション。(ちなみに弟は「マウント・ドラゴン」を書いたダグラス・プレストン)全身をのけぞらせ痙攣し、自分の口で唇を食べはじめるという自己食人の症状を示すコブラ・ウィルス。これを追うのがCDCの実習生アリス・オースティン。なんか「羊たちの沈黙」のクラリスみたいなイメージ。まあまあ面白い。ストーリ展開の盛り上げ方、主人公や犯人の人間的魅力などの描き方などはちょっと満足いかない部分も多いけど、さすがに生物兵器絡みの知識は深いものがあって面白い。生物兵器に対するリサーチが深くて、ノン・フィクション作家のジャーナリズム精神が物語自体を面白くしている。法医学的な鑑識捜査とか、解剖シーンとか細かいこだわりの部分が凄い…でも、小説としてはイマイチか。