電子竹林:Blog

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「バトル・ロワイアル Battle Royale」

高見広春太田出版1997年のパラレルワールド全体主義国家の大東亜共和国。そこでは毎年中学三年を対象に全国から任意に50クラスを選び、戦闘シミュレーション「プログラム」が行われる。最後に残った一人だけが家に帰される死のゲーム。…という設定は、まあ普通ならキングの「死のロングウォーク」(バックマン名義)を連想させる。しかしそこからヒネリが無い。登場人物は香川県城岩町立城岩中学三年B組七原秋也ら42人。修学旅行のバスごと拉致され、プログラムが実施される。金八先生を連想させる板持金発と名乗る政府の役人プログラム監督員を登場させる所なんか、なんともパロディ性はあるけど、思想も皮肉も何も無いのが情けない。勢いだけで書いた本で、勢いだけで面白く読めるからまあいいけど、後には何も残らない。面白いキャラクタもいるのに、何か活かされないままに死んでいってしまうのが残念。深作が監督で映画化されるようだけど、期待半分、心配半分。