電子竹林:Blog

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「監禁」☆

ジェフリー・ディーヴァー 大倉貴子訳 早川書房。- Speaking in Tongues - Jeffery Deaverアーロン・マシューズは復讐のために、ミーガンというナの17歳の娘を誘拐、監禁するミーガンの父、弁護士のテイトは友人の刑事コニーの力を借り捜索をはじめるが…。ジェフリー・ディーヴァーは、「ボーン・コレクター」、「眠れぬイヴのために」しか読んでないが、この人の小説には常に、追跡の面白さがある。この「監禁」でも、弁護士テイト、刑事コニーらの追跡はわくわくさせるものがある。犯人アローンは教会の説教の名人であり、心理を操る名人。弱点を見つけ、誘導し、心のヒダに入り込み、人を操る描写は見事。一方の弁護士テイトも説得の名人であり、両者の心理的な対決は地味ではあるが見事に成功していると思う。最後の最後に隠された真実はかなり面白かった。やられた。ミーガンの恋人の英語教師ボビー、元恋人の黒人の画家ジョシュアもいい感じ。最初は、人物が多く、関係が判りにくかった。そういえば、この作家の「静寂の叫び」(未読)は「デッドサイレンス」という題で映画化されているのを思い出した。