電子竹林:Blog

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「タイムライン」 上- Timeline - Michael Crichton。

マイケル・クライトン ハヤカワ書房量子テクノロジーにより時間旅行を可能にした企業のITC。14世紀、100年戦争のさなかのフランスに送り込まれた、ジョンストン教授を助けに向かう助教授のマレク、クリス、ケイト、デイヴィット…。 まさに冒険活劇。量子テクノロジー、時間旅行、中世文化とテーマ的には面白いのだけど、あまりに考えが浅すぎる所がSFでなくて、単なる活劇で留まっている感じがする。中世が暗黒時代という定説を否定し文化的に見直している所なんかは、「北人伝説」(映画化は「13ウォーリアーズ」)に似たような面白さがあるし、戦闘、建築、慣習その他についての描写が細かいのはいい。しかし、物語としては底が浅い登場人物の設定と、当たり前の伏線と当たり前の展開で、面白い訳がない。ラストの生石灰の燃やし方とか、なんか映画にすると笑ってしまうと思う。