電子竹林:Blog

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「トキシン-毒素」☆- Toxin - Robin Cook。

ロビン・クック 林克己訳 ハヤカワ文庫ロビン・クックの19作目。新作を読むのは「アクセプタブル・リスク-許容量-」以来かな。主人公の心臓外科医キムの10歳の娘が、大腸菌O157:H7に感染、容体は急変する。必死に娘を助けようとするキム、しかし医療システムや保険制度に治療が阻まれる…。面白かった。医療制度の問題、食物汚染などをえぐるクックのメスさばきは見事。社会派でいながら超一流のエンターテイメントに仕上がっている。特に娘の治療シーン、屠殺場の描写は見事。お薦めの一冊。しかし、これを読んでしまうと、決してファースト・フードの牛肉など食べられなくなってしまう。日本の方は実情はいいらしいけど…でもねえ。