電子竹林:Blog

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「スターリングラード」- Enemy at the Gates - ☆

ジャン=ジャック・アノー監督、ジュード・ロウレイチェル・ワイズジョセフ・ファインズエド・ハリスボブ・ホスキンス。1942年9月、ナチス・ドイツの猛攻を食い止めるべく激戦地となったスターリングラードも陥落寸前。新兵としてスターリングラードに送られたヴァシリ・ザイツェフ(実在の人物、ジュード・ロウ)は偶然に出会った政治将校ダニロフ(ジョセフ・ファインズ)に射撃の腕を買われ、英雄へと仕立てられていく。そして若きレジスタンスのターニャ(レイチェル・ワイズ)との恋、ナチスの名狙撃手ケーニッヒ(エド・ハリス)との戦いなどが絡んでいく…。列車からボルガ川を渡り激戦地スターリングラードへ向かう、新兵の視点を追った冒頭が圧巻。スターリンの名前を拝している都市というだけの理由の徹底抗戦、瓦礫と市街の山、血に染まるボルガ川。あまりに無意味な戦争の描き出し方が上手い。決してナチス・ドイツだけを悪者にせず、戦争そのものを悪者にしている。戦争を賛美する所も無く、英雄も作っていない、戦争に直面した人間自身を描いている。