電子竹林:Blog

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「リヨンの料理人 ポール・ボキューズ自伝」- Paul Bocuse,La bonne Chere -

ポール・ボキューズ 須山泰秀(辻調理師専門学校)訳子供時代、ピラミッドのフェルナン・ポワンの下での修行時代から現在に至るまでの自伝。ポキューズの料理に対する姿勢が判る。特に「愛情を基礎とした料理」の喪失に対する深い危惧を感じる。土地とその野菜、動物、果物、家族の愛情、仲間への愛情が料理と強く結びついているのを感じる。途中からは178cm,109Kgの巨体のダイエットの話。数々のダイエット法が出てきて、結局落ち着いた所は量を減らす事で20Kg痩せる。食べるものを禁止するのは長続きせずに逆効果、健康とダイエットが目的になる料理は間違いと主張している。畜産家も、農家も、料理人も材料に徹底的にこだわる姿勢がいい。狂牛病の騒ぎを見ると特に感じる。海老沢泰久の「美味礼賛」を再読したくなった。