電子竹林:Blog

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「鬼子」

新藤冬樹 玄冬舎。デビューの「黒い花」のヒット以来、以来22作泣かず飛ばずの売れない中年作家恋愛小説家、袴田勇二が主人公。袴田の母が死んだ4か月前から、息子浩は家庭内暴力、妻は知らんぷり。そんな中、隣家の犬が無惨に殺される…。何とも薄っぺらいストーリ。細かい調査せずに頭の中で書いているのがミエミエでリアリティに欠ける。日本の作家にありがち。とくに、何度か出てくる"横浜関内の閑静な住宅地"ってのが参る。ちょっと調べりゃ、関内が閑静な住宅地とほど遠い事なんか判るだろうに。こういう下調べに時間をかけないでプロと名乗るのがおこがましい。主人公も脇役も、なんとも真実味がない。マスターの橋口、ヒットメーカーの編集者など、いかにも最初からうさん臭いし。