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「ブラックホーク・ダウン-アメリカ最強特種部隊の戦闘記録」上

Black Hawk Down - Mark Bowdenマーク・ボウデン 伏見威蕃訳 ハヤカワ・ノンフィクション文庫。映画「ブラックホーク・ダウン」の原作。1993年10月3日、内戦が続くソマリアの首都モガディッシュ、最高幹部を拉致することを目的とした特殊作戦に出かけるデルタ、レインジャーたち精鋭。短時間で終わるはずの作戦はブラックホーク・ヘリコプターが撃墜された事で泥沼の戦闘へとなっていく…。映画を観て、あまりの混乱に人間関係がさっぱり判らなくなって、原作を読むことにする…しかし、結果的には原作を読んでも判らない事だけが判った(^^;)。この混乱は、戦闘そのままの混乱。内容的には、綿密な調査やインタビューから組み立てられるノンフィクションは見事。現場の意見でも、作戦責任者の将軍に対する非難がほとんど無いのが印象的。エピローグのこの事件の分析は非常にためになる。武力による治安維持の限界、米軍戦闘員損失の許容量の低下など、指摘されるとなるほどと思う。