電子竹林:Blog

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「死神」

篠田節子 実業之日本社篠田節子は「妖櫻忌」を読んで、ちょっと物足りなさを感じたので他のを借りてみる。…しかし、題名からして当然ホラーと思ったが、まってく違った(マヌケ)。すべてはケースワーカーの話で、福祉事務所を舞台とする辛辣な、底辺の人々の深刻な人間ドラマ。「しだれ梅の下」「花道」「七人の敵」「選手交替」「失われた二本の指へ」「緋の襦袢」「死神」「ファンタジア」の8作品。小説としては、それなりに面白いのだけど、ホラーを期待していたので肩透かしにちょっと評価不能という感じ。初出は92~95年の「週間小説」。著者自身が、ケースワーカーの経験があるらしい。