電子竹林:Blog

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「図書館警察」- Four Past Midnight II - Stephen King -

スティーヴン・キング 白石朗著 文春文庫時間をテーマにした、「Four Past Midnight 」の後半部分の二作品、「図書館警察」と「サン・ドック」を収録。前半部分は、「ランゴリアーズ」、「秘密の窓、秘密の庭」の二作で「ランゴリアーズ」に収録してある。「図書館警察」、舞台はジャンクションシティ、主人公サム・ピープルは突然の講演の依頼のために、秘書のナオミの提言で図書館へ向かう。そこで出会う奇妙な司書アーデリア・ローツ、そして借りた本はあやまって、ごみ回収のダーティ・デイブの手に…。図書館警察とは、米国では有名な都市伝説らしい。主人公の過去との対決という面がうまく出ているが、奇怪な敵との対決はうまい描写とは言えないかった(その点「不眠症」は上手い)。それでも筋立てはしっかりしていて、楽しめる。「サ・ドッグ」、15歳の誕生日のプレゼントにケヴィンがもらったのは、ポラロイドカメラのサン660。しかしそのカメラは、杭垣の前の黒い不気味な犬を常に映し出す…。小品ではあるが、軽快な展開と、古道具屋ポップ・メリルのキャラクタの面白さ、随所にちりばめられたキング的小道具が楽しめる。他の作品とのつながり、「ニードフル・シングス」の古道具屋エンポーリアム・ガローリアムなど、マニア的な楽しみも有り。最後の小尾芙佐白石朗、藤田新策の座談会もなかなか面白い.