電子竹林:Blog

はてなダイアリーより引っ越し済み、主に映画

「esエス」

オリバー・ヒルツェヴィゲル監督、マリオ・ジョルダーノ脚本、モーリッツ・プライプトライ、クリスティアン・ベッケル、オリバー・ストコフスキー、ユストゥス・フォン・ドーナニー。雑誌記者をやめタクシー運転手をしていたタレク(モーリッツ・プライプトライ)は、大学心理学部が出した新聞広告、2週間の心理実験被験者(報酬4000マルク)を見つけ、極秘潜入レポートで記者への復活を考える。実験は看守役、囚人役に別れ、監視カメラが付いた模擬刑務所で行われた…。60~70年代に行われた実験で、心理学の本で何度も読んだ事のあるし、実際の映像も見た事あるのだが、こう通して見せられると映画であっても精神を直接ひっかく様なイヤな感じが付きまとう。誰しもどこかに持つ虐待の感覚、誰しも看守/囚人になる可能性があるという、その生の感覚と向き合わせられる気持ち悪さ。最期は事件にしてしまっているけど、そうじゃない方が怖かったかも。「光の雨」の連合赤軍の集団心理をちょっと連想させた。