電子竹林:Blog

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「カポーティ」- Capote -

ベネット・ミラー監督。1959年カンザス州カルカムの農家四人惨殺事件の記事を目にしたトールマン・カポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)はノンフィクション小説を書く事を思い立ち、ネル・ハーパー・リー(キャサリン・キーナー)とともにカンザスへ向かう…。期待作で当然面白いと思ったが予想以上。カポーティそのままのホフマンの演技は見事な緊張感を生み、一瞬も目が離せない。陰惨な殺人とその犯人、そしてアラバマ雄大な美しさの対比が悲しい。心の闇を覗き描いた彼が、その後は酒と薬物に溺れて死んで行った事を考えると、余計に物語が重く感じられる。驚いたのが犯人らの写真を撮ったのがリチャード・アベドンだった事、ちなみにハーパー・リーは「アラバマ物語」(To Kill a Mockingbird、ピューリッツア賞受賞)の作者。「冷血」は学生時代に前半までしか読んでないが、続きも読まねば。ミラー監督はドキュメンタリー映画「The Cruise」に続いての二作目。ホフマンは「M:I:III」(id:zom-1:20060817#p1)と同じ役者とは思えない見事さ、役者の魅力を引き出すのはやはり監督の力だろう。

http://www.sonypictures.jp/movies/capote/