篠原哲雄監督、藤沢周平原作。江戸後期、北の小国の海坂藩。百二十石・浦井家の長女、野江(田中麗奈)は最初の夫に先立れ、後に嫁いだ磯村家には馴染めず、嫁として耐える日々。野江は叔母の墓参りの帰り道、山桜の下でかつて縁談があった手塚弥一郎(東山紀之)と出会う…。押さえに押さえに押さえた演出がピタリとはまっている。終わらせ方も潔くて、後から効いてくる上手い効果。個人的には小泉堯史「雨あがる」ぐらい面白いと感じた。まだマイナー公開だけど、もっと人気が出て欲しい映画。田中麗奈は凛とした姿勢が意外に奇麗に決まっているし、ちょっとかっこ良すぎる印象はあるが東山紀之の侍姿もなかなかいい。
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