電子竹林:Blog

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「レスラー」- The Wrestler -

ダーレン・アロノフスキー監督。かつての人気レスラー"ザ・ラム"・ランディ(ミッキー・ローク)は50代になった今もスーパーのバイトをしながらプロレスを続ける。一人娘のステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)とは疎遠になり、好意を寄せるのは顔なじみのストリッパーのキャシディ(マリサ・トメイ)。ランディは伝説の名勝負から20周年記念の試合を前に病に倒れるが…。ミッキー・ロークの演技では間違いなく最高傑作、主演作でも一番面白い。試合の激しさは正視に耐えないほど、体のボロボロのなり方も凄まじい。顔はミッキー・ロークだと言われないと分からない程。自業自得と片付けるのは簡単なんだけど、この映画を観るとそう一言では言えない気分。ポスターに顔が出ていない意味がやっと分かった。そこまでするレスラーという生き方に、心が痛くなる。そこにはミッキー・ロークの生き方が二重写しになっているのが巧みな構造。ステロイドや日焼けサロン、毛染めなどのディティールも面白い。「レイジング・ブル」を連想させた、二本立てで観てみたい。主題歌はスプリングスティーン「ザ・レスラー」。今年のベストテンには入るだろうな。

http://www.wrestler.jp/