電子竹林:Blog

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「おとうと」

山田洋次監督。東京、高野吟子(吉永小百合)は夫を早くに亡くし小さな薬局を開き、娘の小春(蒼井優)、義母の絹代(加藤治子)との三人暮らし。小春とエリート医師との結婚式当日、大酒で暴れて音信不通になっていた吟子の弟の鉄郎(笑福亭鶴瓶)が大阪から突然現れる…。市川崑監督、幸田文原作、岸惠子/川口浩主演の1960年版同名映画のリメイク。オリジナルの方の記憶は曖昧だけど、かなり現代的にしていてラスト以外は随分違うと思う。高度成長期に生きた時代感覚、家族のあり方、生き方そして死に方などテーマは重いが、上手く笑いを入れながら感動作に仕上げている。弱者に対する視点が暖かいのがいい。中高年の涙腺には強力な破壊力を持っている、なかなか良かった。ホントにラストのワンカットまで気が効いている。いま、山田洋次ほど日本の中高年の心を上手く掴む映画人はいないだろうな。吉永小百合笑福亭鶴瓶蒼井優加瀬亮に加え、脇役に小林稔侍、森本レオ笹野高史キムラ緑子小日向文世と俳優も贅沢な使い方。

http://www.ototo-movie.jp/