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「男はつらいよ 50 お帰り寅さん」

山田洋次監督。諏訪満男(吉岡秀隆)は会社員から小説家となり、妻を亡くし娘ユリ(桜田ひより)との二人暮らし。柴又・帝釈天の団子屋くるまやはカフェとなっていたが、さくら(倍賞千恵子)や博(前田吟)が暮らしていた。出版社の高野節子(池脇千鶴)の説得で満男はサイン会を開くが、そこで初恋の人・イズミ(後藤久美子)と偶然に出会う…。一作目から50年、「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花特別編」から22年。大ファンでもないが、シリーズは全作観てるしTVドラマ版、その前の「泣いてたまるか」もある程度観ている。時間経過の使い方、とらやのカフェ、手すりなど細部の変化は面白いし感慨深い。全体には上手くまとめているけど、面白いシーンはやはり過去の寅次郎(渥美清)のトコだなと再確認してしまう。メロンのエピソードは有名だが、この庶民的な笑いとペーソスが寅さんだな。ヒロインの映像の入れ方も無理やりだが、吉永小百合より昔の倍賞千恵子は可愛さが印象的。笠智衆の亡き後、御前様がなかなか現れない芸が定着していたが、それを逆手に取った使い方もちょっと面白かった。長いシリーズではあるが渥美清「渥美清 わがフーテン人生」 山田洋次「おかしな男 渥美清」に出てきた大変な苦労が背景にあるのを思い出した。

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