電子竹林:Blog

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「悪人」

李相日監督、吉田修一原作。長崎に住む祐一(妻夫木聡)は、友達もなく祖父母と暮らす土木作業員。福岡の保険外交員・佳乃(満島ひかり)は携帯サイトで知り合った祐一との待ち合わせの直前に、大学生の圭吾(岡田将生)の車に乗り込み、翌日に遺体が発見される。佐賀の光代(深津絵里)は、妹と住むアパートと職場の紳士服量販店の往復の単調な日々に飽き、携帯サイトで知り合った祐一と会う事にするが…。原作は途中まで読んで、現在放置状態。映画は謎を残しながら、話を上手く整理しなかなか上手い展開。脚本が監督と原作者というのが成功している。誰が悪人なのか、犯人は悪人なのか、他は悪人では無いのか、まったく「悪人」というタイトルは秀逸。なんと言っても、煤けきった妻夫木聡の顔と、薄幸そうな深津絵里の顔がいい、素晴らしい演技。今年は吉田修一原作の映画は「パレード」(id:zom-1:20100228#p1)と二本目。いずれも重苦しいスタイルで、「7月24日通りのクリスマス」(id:zom-1:20061106#p1)と同じ原作者とは思えないな(^^;)。

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