デイヴィッド・マッケンジー監督、キム・フィップス・オーカソン脚本。深い悲しみに襲われた後に嗅覚を失う"SOS"が世界中に広がる。感染科学者のスーザン(エヴァ・グリーン)はその病の原因を追い、彼女の自宅前のレストランで働くシェフのマイケル(ユアン・マクレガー)と出会う…。パンデミック映画、パニック映画だと思って観るとまったくの期待外れだろう。五感の感覚を失う事を表現する事により、より感覚というモノを鮮明に描きだす。このアイデアは素晴らしく、そして成功している。主軸は恋愛部分だけど、それさえも味付けな印象。ラストシーンは素晴らしく映画的。全体に叙情的な表現で詩的。嗅覚、味覚が失われていく世界の中でのレストランの人々の仕事ぶりは、新鮮で楽しかった。個人的にはかなり好きな映画。
